周囲を見回してベルツリーを見つけると駆け出し、
スケボーとバイクを置いて屋上の縁に右足をかけた。
そして両手を顔の前に出し、
ベルツリーの両側の見える藤波を狙撃したビルと
森山を狙撃したビルの高さを比べた。
コナンは縁から足を下して二歩ほど下がると、
顔の前に持ってきた指で四角を作り、その中に四つの狙撃地点を収めた。
子どもたちが作った模型を見たときと同じ形になった。
コナンは静かに目を閉じた。
正五角形を宙に描いたまま、四つの狙撃地点にサイコロの目を重ねる。
第一狙撃地点のビルに『四』。
第二狙撃地点のビルに『三』。
第三狙撃地点の台船に『二』。
第四狙撃地点の駒形橋に『五』。
そして、正五角形の頂点のベルツリータワーの展望台に『一』と『六』を───。
目を開けたコナンは険しい表情で、四角の中に収めた景色を見つめた。
そして、サイコロの目の数字の順に、
一、二、三、四、五、六と狙撃地点を線で繋いでいく。
すると、正五角形の中に、星の形が生まれた。
再び縁に足をかけたコナンは、
犯人追跡ピンをズームアップしてベルツリータワーを見た
百合奈の推理どおり───第一展望台の屋根に人影が見えた。
屋根の上に身を伏せ、
二脚を立てた暗視スコープ付きのスナイパーライフルを構えている。
ピンをのぞくとヨシノのそばにサイコロが置かれているのが見えた
コナンは百合奈の声を聴きながら後ろを振り返りつつ、犯人追跡ピンに手をかけた。
すると、300メートルほど後方に、コナンたちがいるビルより高い廃ビルがあった。
最上階の窓がチラリと光っていて、ピンのレンズをズームアップして見ると──
廃ビルのトイレにウォルツの姿を見つけたコナンは、
ボール射出ベルトのバックルのAボタンを押してサッカーボールを出した。
そしてすばやくキック力増強シューズのボタンを押す。
百合奈は後ろでその姿を見守る。
右足を大きく振り上げたコナンは、廃ビルの窓に向かって思い切りボールを蹴り上げた。
コナンが放ったボールが夜空に弧を描きながら飛び、
その後方からマグナム弾が超音速で一直線に突き進む───!!
マグナム弾は廃ビルの手前上空から、最上階の窓に向かって急角度で落ちた。
その左側の窓ガラスに描かれた星の中に、恐怖におののいたウォルツの顔がある───。
星の真ん中にマグナム弾が命中する寸前
───サッカーボールが窓を突き破りウォルツの顔面に直撃した。
粉々に吹き飛ぶガラスと共に顔をゆがめたウォルツが床に倒れ、
その頭上を通過したマグナム弾が床に突き刺さる───。
コナンがウォルツの顔に当たったサッカーボールを見て気の毒そうに
顔を歪めると犯人追跡ピンをズームアップしてベルツリータワーを見ると
───自分たちに銃口を向けているヨシノがレンズに映った
とっさに百合奈の手を掴み右へ逃げた瞬間───縁に銃弾が突き刺さった。














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!