⭐️「…彼女いるって本当なのかな」
家ではそんなことばかり考えていた。
あの女子が言っていた『陸には彼女がいる』は本当なのか。他校にいるらしいけど、見たこともないし。
でも…陸なら彼女いるだろうし、いなきゃおかしいもんね。彼女がいると言わなかったのは陸なりの俺への気遣いだったかもしれない。
もし、そうだったら…そんな気遣い、いらないのに。
⭐️「だとしたら俺、完全迷惑極まりないじゃん」
⭐️「彼女持ちに告白してたってこと?」
⭐️「…ありえん」
そして、決心した。
もう、陸にべたべたするのは辞めようって。
今日、遅い時間に学校に行ってみることにした。
いつもは朝早く学校に来てる陸がいたから無理やり早起きしてたけど…
今はもう、いいんだ。遅く行ったって。
どーせ、陸が俺のこと思ってるわけないし。
「勇志、学校まだ行かないの?」
「何かあったの、?」
そんな俺を見て、お母さんは心配そうにしてる。
そりゃそうだもん。いつもは「早めに学校行きたい」とか言ってバタバタしてたもんなぁ。
⭐️「いーの、なにもないから笑」
「ならいいんだけど」
こんな時間まで家にいるなんて新鮮かも。
朝って、こんなのんびりできるんだな、結構好きかも
⭐️「じゃあ、行ってくるね」
「いってらっしゃい」
いつもの風景もなんだか違って見える。
なんか、不思議。
今頃、前の俺だったらもう教室にいたなーとか思い出に浸っているといつの間にか学校の前まで来ていた。
「あれ、勇志?なんか今日来るの遅いな」
丁度、通りがかった先輩が声をかけてきた。
「陸なら、今頃……」
⭐️「あ、これからそういうの大丈夫です」
「え?でも陸は…」
⭐️「決めちゃったんです」
「どうしたんだろう」と先輩は去っていった。
あの先輩は、いつも俺の片思いの助けをしてくれてた人。
これからはもう、お世話になることもなくなっちゃうけど。
教室に来ると、一気に俺へ視線が向けられる。
「お前、どした学校来るの遅いけど…」
⭐️「そういう気分だったの」
「陸もう委員会の仕事行っちゃったよ?いいの?」
⭐️「うん、別にいいよ」
そう言い終わると一気に騒がしくなる。
どれだけ今まで「陸好き」みたいな態度から変わったとしても…それだけ騒がなくてもいいでしょ…
「なんか…変わった?」
⭐️「うん、だいぶ」
今まで、ずっと迷惑かけてきたんだ。
そろそろ…そんな子供ではなくなるし卒業しないとなぁって。
ほんとは、失恋しただけなんだけど。
…なんでだ。
俺が移動教室とかで移動する時、必ず四方八方から会話が聞こえてくる。
「なんか勇志変わったねー」
「陸にべたべたしてないね」
「どーしたんだろう…」とか。
俺ってそんなになんか…有名だったの?
思い出すだけで恥ずかしくなる。
🐿️「…あ、勇志〜、先輩が呼んでたよ」
⭐️「先輩か…ありがと」
🐿️「…なぁ、勇志」
⭐️「ん?なに」
🐿️「…やっぱなんでもない」
でも、まだ俺陸のこと好きなんだろうな。
陸見るだけで、なんか意識しちゃうし。でももうやめたことだし。
⭐️「先輩、なんですか?」
「あの…ファンクラブについてなんだけど」
⭐️「あぁ、陸のやつですか?」
⭐️「俺、ファンクラブやめます。」
なんだ、そんな驚いた顔して。
そんなに驚くこと?ファンクラブやめるのって。でもファンクラブやめるってことはもう興味がなくなったって…
言ってる近いのかも。
まぁ、その通り…?なのかも?
でもまだ陸のことは好きだけど!!
どんだけ陸が好きでも、流石に彼女持ちにはあれだし…今までの行動振り返ると…恥ずかしくなる。
「…これは事件だ…大事件だ…っ!」












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。