第65話

そもそも、諜報員とは
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2025/12/31 12:34 更新
坂口安吾
…あり得ません。あの首領ボスが、情報の流出を認めるとでもお思いですか?
首領ボス公認で情報を交換していると云い放ったあなたに、厳しい表情で云い返す坂口。



その口調は、硬く強張っていた。
あなた
どんな組織も、一人はそう云う仕事をする人間が居るよ。ポートマフィアでは、情報収集の一環として認められている。それだけ、外部情報の収集は困難なんだよ
うちは人手不足も深刻化してるからね、と付け加えたあなた。



未だに、あなたが情報部の新人に認める者は現れていない。
坂口安吾
今回は、その伝手つてを使って収集した情報だけが頼りだと?
あなた
そうなるね。私は風邪を引いてるから、君達が休め休めとうるさいし
坂口安吾
そりゃそうです。無理して悪化される方が迷惑と云うものです
あなた
酷いね。冷たい
坂口安吾
巫山戯るのも大概にして下さいね。取り敢えず、鈴門さんの立場が組織的にまずい事はよく分かりましたよ
やや、あなたを睨む様に視線を流す坂口。



しかし、あっけらかんと笑ったあなたには、その視線は刺さらなかった。
太宰治
全く…大変な事を教えてくれたね。君が情報を収集して回っている事は、他の組織にバレて居ないんだろうね?
あなた
さあね。今回は、上手い立ち回りができない状況だったし。別の組織で、情報交換されてるかもね
はぁー、と太宰は天井を見上げてため息をついた。
太宰治
面倒をやってくれたね。もういい、こうなったら中也と行動してて
中原中也
おいおい、急にそうはならねぇだろ
隣であなたも深く頷き、同調する。
太宰治
あなたが集めた情報なのに、本人が分かっていないとは云わせないよ。密輸入組織の幹部の一人に、プロのハッカーが居る。この意味が分からないかい?
あなた
分からないかい?って云われても…え?
ピタリと動きを止め、パソコンを凝視するあなた。



マウスを操作し、謎の画面を選択する。



システムにアクセスするパスワードを打ち込む。



ブルースクリーンのシステム画面には、一部に文字の抜けが出来ていた。
あなた
嘘でしょ。パスワードが突破されてる…
背後で、今度は少し息をつく程度のため息をもらす太宰。
太宰治
分かっただろ?密輸入組織は検挙されない為に、情報収集には長けている。…もう既に、術中に嵌っている可能性もある
あなた
誰でしょ、パスワード突破した人は。初めて突破されたのだけど
普段聞かない低い声で呟いたあなた。
中原中也
そりゃあ、密輸入組織の幹部のハッカーって奴だろ
あなた
そんな事は分かってるよ。私が知りたいのは、そのハッカーの名前と何時何処でどうやってこのパスワードを突破したのか。…それ以外はどうでも良い
低い声のまま話すあなたが振り返る。



その目には、爛々と少しの喜びの光が宿っていた。
あなた
今回の任務、喜んでついて行くわ。…ふふ、ようやく良い拾いものができるかもね






作者
やっと密輸入組織編、半分くらいです。予定より短くなるかも知れないし、長くなるかも。まぁ、何時も長いとは思いますけどね

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