白い死体。
それは、ヨコハマでただ一人あなたのみが作れる死体。
死体を作るには、如何なる戦闘でも相手に傷を付けてはいけない。
完全な状態で、悪夢のような不気味さを兼ね備える死体。
首の後ろ、少しだけ出っ張った場所を正確に叩き割る。
そこには神経の塊があり、破壊されれば死はもちろん、良くて意識不明の植物状態だ。
相手の背中に回り込む。
音も立てず袖口から短刀を抜き、柄で首を殴る。
あなたが相手を手にかけるのは、マフィアに加入して初めての事だった。
重い音がして、二つ目の首の歪んだ死体ができる。
噂に違わぬ、擦り傷一つも付かない死体だった。
茶化すような太宰。
やや噛みつく様な中也に、あなたは肩をすくめた。
君達だって、便宜上「双黒」と名乗るでしょ?
そう聞かれ、苦い顔をする太宰と中也。
眠そうな死んだ目になるあなた。
見かねた坂口が声をかけた。
先に周りを見て回っていたらしい。
織田は、外を指差して云った。
すぐさま外へ飛び出すあなた。
皆慌てて追いかける。
外の死体三つは血がべっとりと付き、顔も見えない状態だった。
血が触れないぎりぎりの場所に立つあなた。
しばらくの間死体を見つめると、ぼそりと呟いた。
聞き返す中也と、聞き逃さない太宰。
あなたは、またもやぼそりと云った。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。