第14話

本当の別れ
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2022/04/11 07:45 更新
響が痙攣する。今、現在進行形で響は自分の命を奪う死神と戦っていた。

死ぬのは分かってても、最後まで。
龍造寺響
龍造寺響
皆がいるから、私がいる…
僕がいるから、奏さんがいるから、響がいる。
龍造寺響
龍造寺響
好きな人、嫌いな人、ウザい人、大切な人、憧れの人…色んな人がいて、誰かと比べられて、自分を比べて、初めて自分があるんじゃないかって思うんだ
龍造寺響
龍造寺響
それがっ…生きるってことなんじゃないかな…
この世界は全部他人評価だ。



人間が闇を抱える原点は、他人評価に納得がいかないから。
自分はもっと認められていいはずだ。
だって、こんなに頑張っているのだから。
でも、自分は頑張っているつもりでも───。
 
周りにとっては、それが当たり前だったら。
 
その人はただ当たり前の、普通のことをしているだけになる。
そんなの、酷いよな。
残酷だよな。
だけどそれが現実なんだ。
龍造寺響
龍造寺響
死んだら…“私”というものが分からない。自分がここにいると証明してくれる人がいない
龍造寺響
龍造寺響
…そんな寂しいことってない
その現実を受け止めて、転んで泣いてすがって自分を作って泣いて泣いて転んで転んで。


死んだどうなるのか興味を持ち。


他人を憎み力尽きる。
でも、僕思うんだよね。
「どうして起き上がれるのに、起き上がらないの?」
って。起き上がったら、立ち上がったら…生きる価値が見つかるじゃないか。

世の中には、起き上がることが出来ない人間も存在するのに。例えば、目の前の戦士とか。
龍造寺響
龍造寺響
ねぇ、まだ生きれる君
橋本楽
橋本楽
…はい
ねぇ、もう死にゆく君。
龍造寺響
龍造寺響
この先、生きて。見て聞いて感じて。
そして私に教えてよ
もう、絶対起き上がれないって分かってるのに、起き上がろうと奮闘している戦士さん。
龍造寺響
龍造寺響
楽君の楽しみも、苦しみも。もちろん、愛もね。楽君が感じたことを、私も知りたい
まだ──生きることを諦めていない、龍造寺響。
龍造寺響
龍造寺響
私の代わりに、生きて。そして、君の中にずっと生き続ける私に、生きる意味を教え続けて
僕、頑張って生きるから。君が望む限り、ずっとずっとずーっと、生きてやる。

だからさ、
橋本楽
橋本楽
君も、生きてよ
僕の中でずーっと、生きて。
橋本楽
橋本楽
僕の生きる理由は…
それは。
橋本楽
橋本楽
君に、この世で生きる楽しさも苦しさも、教え続けるためだ
君がこの世から消え去るなら、生き残りの辛さも教えてやろう。
龍造寺響
龍造寺響
ふふっ…ね、楽君
君が声を発せるのは、今だけ。
橋本楽
橋本楽
やだ、楽って呼んで
1個くらい、僕の望みを叶えてくれてもいいじゃん。
ずっと、楽君じゃなくて「楽」って呼ばれたかったんだ。
龍造寺響
龍造寺響
え…そこ?
呆気にとられたような表情を浮かべる響。
龍造寺響
龍造寺響
…楽
 
龍造寺響
龍造寺響
私は…楽のことがずっと……………
 
フッ…と、響の体から、力が抜けた。
橋本楽
橋本楽
響!?
ゆっくりと…黒色の澄んだ瞳に、死の幕が下りていく。
橋本楽
橋本楽
響……!
響は、旅立った。
僕の腕に、身を委ねて。
心臓が痛くてたまらないはずなのに、どこか安らいだような顔をして。
僕は、必死に戦った彼女の体を抱きしめて。
1度だけ、こう告げた。
橋本楽
橋本楽
好きだよ、響

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