天蓬と別れて数日後、森の中で野宿することにする
一行
大野、櫻井、二宮、紗羅は、寝床を整える松本と
相葉の2人を残し食料調達へ向かおうとしていた
そうして4人が食料調達に向かってから数十分程が
経った頃、大方寝床の整備が終わった相葉が額を
拭った
すると、相葉がなにかに気づいたように声を上げ
まじまじと松本の顔を見始めた
突然怒っているかと聞かれ怪訝そうに眉を寄せる
松本
その返答に納得できないのか、じとーっとした目で
松本を睨み散らかす相葉に、松本は困惑を隠せない
すると、間髪入れず
と即答(しかも顔真似付き)
そんな相葉に、ますます困ったように眉をしかめた
松本は、ビッ!と親指で自分の顔を指した
松本ににじり寄り、顔をまじまじと色んな角度から
見たあと、ぱっと離れると相葉はニパッと笑って
見せた
するとさも「それを俺がするのか...?」と言わん
ばかりの顔で嫌そうに見つめる松本
相葉の笑顔に押し負けた松本が、渋々笑顔を作る
──が、それはお世辞にも「上手」とは言えない
めちゃくちゃ引きつった笑みで...
相葉の言葉に間髪入れずスパーンッ!と子気味いい
音でその肩をはたく
不意に近づくと、松本の両頬をむぎっと押しつぶす相葉
べしっ
松本は不機嫌そうにふいとそっぽを向くと、トゲの
ある声色で言い捨てた
そうこうしている間に、賑やかな声が聞こえてくる
どうやら4人が帰ってきたようだ
そう言ったっきり、ツーンとそっぽを向いて座る
松本と、そんな松本の背をむぅっと口を尖らせ
眺めている相葉
そんなやり取りがあった翌日
ロアナへと辿り着くため森の中歩みを進める6人
するといきなり相葉が何かを見つけたように
声を上げた
他の面々も目線を移すと、そこにはうずくまる
子供の姿があった
そんな警戒を見せる面々を他所に、紗羅がスッと
子供の隣にしゃがみ込む
柔らかい声で訊ねる紗羅に、少女がゆっくり顔を
上げるが、その瞳は涙で濡れていた
ひくっと泣きじゃくりながら、躊躇いがちに小さな
声で答えるセレナに、相葉もにこりと笑いかける
紗羅と相葉の雰囲気に緊張がほぐれたのか、ぽつり
ぽつりと少しずつ話し始めるセレナ
再び不安になったのか、ぐすぐすと泣き始める
セレナ
紗羅はそっとセレナの頬に手を当てると、優しく
親指で涙を拭った
続いて相葉もわしゃわしゃとセレナの頭を撫でた
すっかり2人に心を許し、笑顔を見せ始めたセレナ
その光景に松本と櫻井は感心していた
しばらくして、セレナと一緒に地図を覗いていた
紗羅が小さく頷いた
バッ!と振り返ると他4人をキラキラとした目で
見つめる相葉
ぱぁっと明るくなる相葉の表情に、ふぅ、と息を
吐く櫻井
すっと手を差し出す紗羅を見て、相葉もセレナに
駆け寄る
2人の笑顔につられるように、セレナも嬉しそうに
笑みを浮かべると、そっと手を握り返す
そして6人は再び森の中を歩き始めた
今度は1人の少女も一緒に












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。