第13話

️️️
729
2024/02/18 12:00

















︎ ︎︎︎︎︎︎ ︎︎︎︎︎
よいしょ、と…これで全部?
sungho
sungho
ん!ありがとう








山積みの段ボール箱を 部屋の隅に寄せて、

ピカピカの白い床に ごろんと寝転がる。

鼻を爽やかに掠める ”新しい家” の匂い。






オッパは 今年で22歳、俗に言う就活生になる。

それを機に ひとり暮らしを始めると言うので、

今日はその引越しの手伝いに来た。




 
︎ ︎︎︎︎︎︎ ︎︎︎︎︎
引っ越しちゃうの、残念だって
お母さんも言ってたよ
︎ ︎︎︎︎︎︎ ︎︎︎︎︎
...就活生かぁ。オッパがもう
社会人になるとか実感湧かないかも
sungho
sungho
それを言うならあなたも
︎ ︎︎︎︎︎︎ ︎︎︎︎︎
私?
sungho
sungho
だってもう、20歳だよ?
ついこの間まで高校生だったのに。
︎ ︎︎︎︎︎︎ ︎︎︎︎︎
...そうだね、










白い天井を見つめながら、思い出す。

そういえば、こんな色だったかな。

保健室の天井も。








︎ ︎︎︎︎︎︎ ︎︎︎︎︎
...同窓会、
︎ ︎︎︎︎︎︎ ︎︎︎︎︎
オッパ、同窓会って行った?
sungho
sungho
行ったよ?
︎ ︎︎︎︎︎︎ ︎︎︎︎︎
...楽しかった?
sungho
sungho
うん、みんなに会うの久しぶりだったし
︎ ︎︎︎︎︎︎ ︎︎︎︎︎
そっか。




︎ ︎︎︎︎︎︎ ︎︎︎︎︎
なんかね、ハガキ来たの。
同窓会の招待の。
sungho
sungho
...行くの?
︎ ︎︎︎︎︎︎ ︎︎︎︎︎
行かない。







一瞬 険しくなったオッパの表情が、

行かないと聞いた途端 すこし緩んだのを、

見て見ぬふりするように また天井へ視線を戻す。










sungho
sungho
...アイス食べる?
買ってきてあるんだけど
︎ ︎︎︎︎︎︎ ︎︎︎︎︎
え!食べる!
︎ ︎︎︎︎︎︎ ︎︎︎︎︎
何でこんなにイケメンでスマートなのに
彼女できないの?オッパ...
︎ ︎︎︎︎︎︎ ︎︎︎︎︎
ほんとに何でモテないのか不思議...
sungho
sungho
やぁ、別にモテてないわけじゃない!笑
















 高校3年生の、冬。

たしかクリスマスくらいの時期。

そこから卒業までの 約3ヶ月間。

私は、学校に行けなくなった。





毎晩ベッドの中で「明日 学校だ」と、

またあの2人 • • • •を見なきゃいけないと考えるたび、

呼吸がうまくできなくなって、

治りかけていた 病状が悪化し始めて、













いつからか。

オッパと私の間で、

高3のときの話が

暗黙のうちに タブーになった。







ハガキが来たときも、

ユアからその名前が出たときも、

今、この瞬間も。



私はずっと、背を向け続けている。

彼との1年間から。






プリ小説オーディオドラマ