三時間目は移動教室。
私達は、ちょっとした世間話をしながら
教室へ向かう。
三時間目は家庭科。
家庭科は週に2回、家庭科室で行う。
私はいつもの席に座り
授業の準備を…って、あれ?
机の中に、なにかある?
そこには、綺麗に
四つ折りされた紙があった。
私は気になってその紙を開いてみる。
不思議そうに私の顔を覗き込む結衣ちゃん。
私は熱を帯びた顔に手をあてる。
落ち着け、私。
私が見たノートには、一言だけ、
___________________________好きです。_____________________________________
ただ、これだけ。
いや、でも…この席は週に2回使う程度。
私に向けた手紙じゃない。
きっと私じゃない、可愛い女の子に向けて
書いたに違いない。
と、いうか…まずこの手紙を
書いた人の性別も分からないし…。
もう…、差出人の名前くらい書けよ!!
これじゃ、誰に向けて書いたのか
分からないじゃん。
どうしたら…いいの?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。