やっと屋上の男の子を見つけたというのに、
話しかけれない自分が情けなく感じる。
あんなにイケメンで人気者の男の子たちと
可愛くもないただいじめられている私と
じゃつい合わないことはわかってる。
でも、あの屋上のことはもう一度話したい…
そう心の中で思っていても、叶うわけなくて…
『今日も見れるなんて運いいかも!』
『これで1週間頑張れるわ!』
『やっぱりぐく様しか勝たん♡』
『いや!じみん様よ!』
『1番ははくおずしかないでしょ!』
チャイムがなって、教室に戻ってきた
女子生徒たちが大きな声で話していた。
男子生徒もイケメンさんたちのことを
話している人が何人かいた。
男女にも人気でこの学校みんなが
知っているって相当有名なんだな…
『もう♡ほんとにかっこいい♡』
『ベタ惚れじゃんーㅎㅎ』
いつも休み時間ごとにいじめられるけど、
イケメンさんたちに夢中になってくれた
おかげでいじめられることはなかった。
でも放課後になると、恐怖の時間が必ず来る。
放課後なんて一生来なくていい。
そう思っていたのに…
『あ、そーいえば』
『今日、休み時間にできなかったから』
『放課後二倍ね?ㅋㅋ』
『ちゃんと来いよーㅋㅋ』
『なんか言えよ!』
怖くて言葉がでなくて黙り込んでいると、
思いっきり足を蹴られた。
足も腕もお腹も色んなところに痣ができている。
またそなおんにに心配かけちゃうな…
『ほら、返事は?』
『よくできましたーㅋㅋ』
もう、嫌だ…
こんな人生なんて望んでなかったよ…
高校生になったら、
私が願う楽しい幸せな生活を望んでいたのに…
どうしていつもこうなっちゃうの…?
神様、どうか私を楽にさせてください…
誰もいない場所で私は静かに涙を流した。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。