第37話

第30話 夏祭りをまだ私は知らない(後編)
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2026/02/22 10:00 更新
フィンクス
ウボォー、お前一人で来てたのか?
ウボォーギン
実は一人ではないんだが…。旅団じゃなくてな。
この2人はお友達だろうか。ここは好印象を残すためにも挨拶くらいはしておこう。
あなた
こんばんは。ウボォー先輩にいつもお世話になっているあなたです。
ウボォーギン
こっちがフェイタンでこっちがフィンクスだ。
フィンクス
!?
フェイタン
!?
フィンクス
ヒソ…ウボォーが女連れってマジかよ。
フェイタン
見覚えあると思たら体育祭のときの奴ね。写真撮たあの。
フィンクス
あー、あれか。完全にホの字じゃねーか。
ウボォーギン
どうしたんだ?コソコソと。
フィンクス
別に何でもねーよ。
フィンクス
えーっと、なんだ。ウボォーをよろしくな。
それとまぁ、頑張れ。
ウボォーギン
頑張れとは多分先輩についてのことだろうな。
あなた
はい!
フェイタン
ワタシたちこれから用あるからお暇するね。
フィンクス
じゃーな。
ウボォーギン
またな。バハハーイ。
フェイタン
ハハ
フィンクス
頼むからそれは言わないでくれ…
そう言って2人は去っていった。学校外では何気にお友達が多いよな、先輩って。
魅力の権化、生きる宝石なのだから当たり前か。
…いや、まずバハハーイって何の話だ?
その後も楽しんでいると気づいたころにはかなり時間が経ち、とうとう祭りのクライマックスが始まろうとしていた。
あなた
そういえばそろそろ打ち上げ花火があがるみたいですよ。ここじゃ混んで見られませんし、移動しませんか。
ウボォーギン
移動しようにも何処も混んでんじゃねぇのか、これ。
あなた
お祭りから離れることにはなりますが、いい場所があるので、ついてきて下さい。
私たちは少し離れた公園へと出向いた。ベンチくらいしかない寂しい公園で、普段からあまり人が居るのを見たことがない。
去年の塾の帰りにこのあたりを通ったとき、花火が見えた。記憶違いでなければ今年もみられるはずだ。
間違えていないか危惧しつつ、屋台で購入したベビーカステラを頬張る。当然、先輩と分けながら。





ヒューっ





ドーーーン!



どうやら要らぬ心配だったみたいだ。綺麗な花火が打ち上がるのを、ここからハッキリ見ることができた。
ウボォーギン
こっからでも迫力満点だな!
それにここを知ってるのはオレらだけってのも乙なもんだ。
秘密基地らしさへのワクワクでそう言っているのだろう。
けれど私は、先輩でも見上げてしまう程高い空を、いつもとは違う空を、2人しか居ない場所から見える空を、同じように見上げているということに心を弾ませている。
ここの空が今世界で一番綺麗だ。オーロラよりも、ウユニ塩湖よりも。
少し前に遡って
フェイタン
てことは彼奴デートか。
フィンクス
けどどうせウボォーのことだ。あの様子だし全く気がついて無いんだろ。
フェイタン
鈍感にも程があるよ。流石筋肉バカ。
フィンクス
でもなんかそれはそれでムカつくな。
ハァ…、このあと呑みに行こうぜ。
フェイタン
フィンクスの奢りでならOKよ。
フィンクス
さっき祭りで財布スリまくって来たからいくらでも奢ってやるよ。

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