前は彼女にまた遭遇するのを避けてあの丘に結局たどり着くのはできなかった。
故に、今日は行こうとしよう。
空はどんよりとしていたが雨が降るにおいはなかった故、傘は持って行かなかった。
あの丘はとてつもなく不思議である。
年がら年中1本の桜が咲いている
その姿は、何かを待っているような気がするのでござる。
「春を待っている」と言われても矛盾するような......
私を見つけて。
あなたの目の前に色づくものの下に私の思いがあるわ。
風で分かるよ....
拙者は風の力で埋められているものを探した。
楓に書かれたものはきっと「彼女」のものであろう。
そして、桜の木の下にとある古い木箱があった。
その木箱には見覚えがある......
そうだ、「彼女」がよく大切なものをしまっていた箱である。
その9割ほどは拙者が渡したものである。
もしかすると...この手紙......
拙者はその場で崩れ落ちた。
そして、数多の雫が目から零れ落ちた
自分が最愛の人に最後に言った言葉がこんなにも彼女のことを傷つけたなんて..........
拙者は彼女を愛す権利など..........














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。