第20話

ど屑 前編
135
2024/04/09 17:47
加米です!
両方クズ!!ヤンデレ!!どろどろ!!

前の米日の続きかも
数日前あたしは日本を殺した。
あいつが提案して、あいつが勝手にやったんだ。
あたしは何もしてないはずだった。
日本はあたしが殺したんだ。
CA
アメリカ、帰ろう
歩くのもやっとなあたしのために日本が呼んでくれたらしい
US
CA
怪我してるんでしょ?早く帰って手当てしなきゃ
US
日本、辛そうだった
CA
日本には日本の事情があるんだよ。
CA
アメリカだってわかってるでしょ?
私たちが口を挟むことじゃないって
US
それでも…
CA
寒くなるからさ、とりあえず家帰ろ?
本能だけが気づいていた。
彼女の優しい声色の奥にある、密かなどす黒い感情に
家に帰ると痣や擦り傷に手当をする。
同時に、さっきまでのことを愚痴るように相談した。

手当てがひと段落してからあいつは口を開いた。
CA
日本が一生救われないなら、一生を終わらせればいいんじゃない?
US
…は?
いつも見せる柔らかい笑顔に一気に影が落ちる。
一切笑顔から変わっていないのに明らかに空気が変わったのを感じた。

今思えば、あいつに相談したのがダメだった
US
どういうこと?
CA
何馬鹿なふりしてるの?
殺すってことだよ
跪いたまま救急箱を片付けながら楽しそうに話すその姿は明らかに狂気だった
US
冗談でしょ…?
やるにしてもどうやって?
この返しが悪かった。調子に乗らせてしまったのだ
CA
興味わいた?
大丈夫全部私がやるから。アメリカは何も知らなくていいんだよ
US
何よそれ…
片づけが終わったのか立ち上がり、離れようとするあいつを止めようと伸ばした手は握ることができなかった。
帰ってきたときに飲まされたあの水がダメだったのだろう。
CA
無理しなくていいの全部私がやるから
そこで記憶は終わっている。きっと眠ってしまったのだろう


あの狂気的な笑顔がすべて終わった今でもカビのようにこびりついてあたしを蝕んでいる。
徐々に浮上していく意識はひどく穏やかなものだった。
CA
おはよう。
もうお昼だよ
混濁する意識が現実に引き戻される
しばらくぼーっとした末に昨日のことが雪崩のように思い出される
CA
日本、殺しておいたよ
タイミングを見計らったかのようにカミングアウトされるそれは、あたしの頭を強く殴った。
US
…そんなの、頼んでない!!
CA
何言ってるの?アメリカが望んだんだよ
つかみかかろうとベッドから起きあがろうとすると昨日ぶつけた個所から衝撃が走る
US
い゛っ!!あ゛ぁ…!
CA
無理に動くからだよ。
US
どう、して、どうして、殺したの
CA
どうしてって…
君が助けたいって言ったんじゃん。代行して助けただけだよ
痛みの余韻に悶えながらひねり出した質問にけろっと答える彼女は恐ろしいほどにいつも通りで、それと同時に狂気にまみれていた

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