無一郎side
幸せが壊れる時はいつも、
不穏な音がする
なんでこんな大事な時なのに…、!
ようやくあなたに言いたいこと全部全部言えたのに…、
僕のカラスの声があなたには聞こえていなかったみたいだ
それでいい、
僕はすぐに産屋敷邸に向かわなきゃ
守れるかもどうか分からない約束を残して、
僕はすぐに走った
産屋敷低につくと、
不気味な音がして床が落ちた
まさに、無限の牢獄だった
湧いて湧いて出てくる鬼
ずっと走っていると、
とても強い鬼の気配を感じた
上限の…壱…
凄まじい威圧感だった
手の震えが止まらない、
ダメだこんなんじゃあなたを守れない
「無一郎くん!」
いつもそうやって呼んでくれて笑う彼女を思い出す
まだ、告白の返事も聞けていないのに
この鬼は、異次元なまでの強さだった
腕を切られた…!!
すぐに止血をしなければ…
呼吸を使おうとすると、
刀を奪われ壁に自分の肉体ごと突き刺された
無一郎くんが走っていってしまったあと、
すぐにべべんという奇妙な音がして床が抜けた
鬼の根城に誘い込まれたらしい
私はすぐに無一郎くんを探した、
目を離したら居なくなってしまいそうで…
見つけたら無一郎くんは壁に刺されていた
私が死んでもこいつだけは絶対倒す
鬼の過去がどうとか、
体への負担がどうとか全部どうでもいい
ただ今はこの瞬間が心地よかった
…!攻撃範囲が広い
やられるそう思ったら
まずい、
さっき足がやられて力が入らない
まだ立てる体制に慣れてない…
鬼が技を繰り出そうとした瞬間
師範が攻撃をしかけた
一旦玄弥を連れて端の方へ出る
悲鳴嶼さんも来てくれて、
人が増えた分少し余裕が出来た
私の足が、ブラブラ揺れている
もう少しでちぎれてしまいそうなんだ
私は手先が器用ではないので、玄弥に任せた
さっきから追懐の呼吸を連発しまくっていたので、
目眩がする
今戦場に行っても
まともに力になれるのか分からない
いつの間にか無一郎くんが、
刺さっていた刀を抜いてこっちまで来ていた
そういうと無一郎くんは、
酷く優しく笑った
鬼の方へ戻るとみんなボロボロだった
私がしっかりしなくちゃ
技を出す前に無一郎くんが刀で鬼を固定する
玄弥が血鬼術で固定してくれてる間に、
絶対に切る
この技は、
小さな斬撃で鬼の首を斬る技だ
どんなに固くても時間さえあったら必ず切れる
最後に鬼が大技を出してきた
消えていく鬼の姿を確認して無一郎くんの方まで駆け寄る
無一郎くんは、腕を切られていて出血多量だった
まだ、助かるから
無一郎くんの怪我を抑えても、
血はずっと溢れてきてた
私の涙も無一郎くんの血と同じように止まらなかった
私まだ無一郎くんになんにも返せてないんだよ…?
これからずっと一緒にいようなんて…
無一郎side
どんどん力が抜けていく
あぁ、もう死ぬのかな
やっと、両思いになれたのに
ようやく気持ちが通じ合えたのに
嘘だよ他の人と幸せになって欲しいなんて微塵も思ってない
出来るなら俺が幸せにしてあげたかった
だからこそ誰よりも幸せになって欲しいから、
俺の事なんて忘れて他の人と添い遂げた方が…
ずっとボロボロと泣いているあなた
そんな可愛い顔されたら決意が揺らいじゃう…
あなたの唇に自分の唇を重ねた
もう死ぬから責任なんて取れないのに
目の前がキラキラしていた
もうどこも痛くないし、辛くもない
無一郎くんを、
殺した鬼を倒した後怒りを原動力に体を動かした
そうしたら、
無惨を見つけた
仲間が沢山倒れていた
全部全部私の大切な仲間だ















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。