芽衣ちゃんが搬送された後、赤タグの女性がバスから運び出された。
喜多見の判断で即手術となり、ERカーに運ばれて行った。
手術は喜多見に任せて大丈夫でしょ。
私は外に運び出された人達の手当をしていく。
その時、無線が入った。
JCS20……。
マズイな…。
トラックの元へと行くと、男性が座ったまま意識を失っていた。
私はレスキュー隊の静止を聞かずにトラックに乗る。
車体と座席の間に膝を押し込み、体勢を支える。
反応はない。
胸を叩くと、変な音がする。
男性の瞳孔を確認する。
瞳孔不同……。
急性頭蓋内血腫か。
私は先程喜多見と言い争っていた人を見つける。
確か……千住さん。
その間にバリカンで髪を剃る。
先にサポートに回されたのか、弦巻ちゃんが走ってきた。
医師らしからぬ発言にイライラしてくる。
目の前で死ぬかもしれない人が居るのに。
難しい体制のまま手際よく的確にメスを入れて、開創器で切り口を広げ、穿頭器で頭蓋骨に穴を開けていく。
手術が終わったのか、走ってきた喜多見が私の後ろから声をかけた。
そろそろ身体が限界だ。
身体が痛い。
体勢がキツすぎる。
手術と同時進行で救助活動も進められているため、車体が揺れ、頭が定まらない。
喜多見は、私の後ろに乗り込んで、蔵前さんとは反対の方に手を添えて頭が動かないように支える。
喜多見の体幹なら大丈夫だろうと、少し喜多見に体重をかける。
心停止を伝える警報音が鳴り響く。
蔵前さんは頭を支えながらアドレナリンを開封しようとしているが、片手では空けずらい。
でも、今蔵前さんに手を離される訳にはいかない。
喜多見を回そうにも、いつ車体が揺れるか分からない状況だ。
どうする……考えろ。











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。