____いつも、ゴミ山の中に居た。
椅子にさえ、座ったことなんてなかった。
いつも地べたに這って、ぼんやりとしていた。
…でも、邪魔になるから、部屋の隅に縮こまってた。
…いつも流れてる、テレビ。
テレビにはおかあさんとおとうさんが映って、
楽しそうにおしゃべりしてた。
物音なんて立てれば、怒号と暴挙の嵐。
お腹の音なんて、もってのほか。
ご飯は2人の食べかすか、いい日は賞味期限の切れたパン。
…ご飯をくれない日も、水もくれない日もあった。
何回も、
何回も。
いつも、辛くなって、泣きそうになるのを堪えてた。
…そんな時、テレビから流れてくる、陽気な音楽。
こっそりテレビを盗み見て、その名前をみた。
____忍たま乱太郎。
あの、音楽に、キャラクターに、
どれだけ救われただろう。
…でも、偶に出てくる親子が不思議だった。
なんで大事そうに抱きしめてるの?
なんで子供のために泣いてるの?
なんでそんなに 幸せ そうなの?
わからない、分からなかった。
ただ、呆然とその様子を見ていた。
…ある日、外に追い出された。
寒い、寒い冬の夜だった。
外は雪が降っていた。
しんしんと雪が降り、私の体の熱を奪っていった。
薄暗い灰色の空を見つめていた。
___あの歌が聞こえた気がした。
______光が、私を包んだ。











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。