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第3話

3話
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2025/07/18 07:28 更新



最初に短刀達を手入れしてから数日が経った
この数日間何もしない日は無かった
短刀達と別れた翌日には各々兄弟刀達を連れてきてくれて手入れをした。
またその翌日には自ら手入れをしてほしいと来てくれた刀もいた。元々顕現されている刀は多くなく1週間程で全振り元気になったがここで新しい問題がある
それは心の傷だ。今の俺は真昼間からその問題に悩みとにかく廊下を歩いていた。
するとある部屋からものすごい暗いオーラが漏れていた

あなた
襖を閉じててももれるくらいの負のオーラを放つのってあの刀しかいないよな…

俺はその襖に手をかけ意を決して開ける
あなた
御用改めーー!!!

バッッッと開けるとやはり部屋の隅に丸まってる山姥切国広がいた
幻覚なのか知らないが頭にキノコが生えてる気がする
山姥切国広
俺はどうせただの写しだ
山姥切国広
やはり写しに手入れは不要だったのだ
山姥切国広
俺は……

表現が見えないほど布を被っているからか布が喋ってるようにしか見えない
まずは寄り添うことが大事だと思って俺はまず声をかけてみる
あなた
ねぇ山姥切、なにかあったの?
山姥切国広
写しの俺に話かけるほど俺に価値はない……
あなた
そんなこと無いよ!ほら、俺となにか話そうよ!

そんなやり取りを何回繰り返しただろう……
良くなる所がさらにジメジメ度が悪化した
これには流石に俺の堪忍袋の緒が切れ山姥切が被っている布を掴み部屋へ引きずり出した
あなた
もう我慢ならねぇ!!俺が励ましたら更にジメジメ度が悪化するとかこれじゃあ平行線じゃねぇかよ!こんな暗い部屋にいるから更にネガティブになるんだよ!俺と一旦外の空気吸ってもう一度話し合うぞ!!!
山姥切国広
ま、待て主!俺の布をそんなに引っ張るな

山姥切の声にも反応せず俺はとにかく話し合いができそうな所を探した
見つけたところは庭にある大きい気があり日当たりが良く緑がある所にしそこに連れてきた山姥切を座らせ俺も横に座る
ここからだと外で遊んでる加州や短刀達がよく見える。
横にいる山姥切に視線を向けると外の空気を吸ったからか幾分かジメジメ度が減っている
山姥切国広
本丸にはこんな見渡せる様な所があったんだな
あなた
そうだね。俺も辺りを散策してて見つけたよ。ここなら少しは気持ちがスッキリするだろ?
山姥切国広
あぁ、だが写しの俺にはこんなところには不相応だ

いい感じだと思ったらそう簡単に行く訳もなくまだネガティブであった。
こちらが変に励ますと更に悪化するから変に言葉をかけれなくなった。
何も喋ることがなく辺りを見渡すと少し離れた所に綺麗な花が咲いてるのを見つけた。俺は立ち上がりその花を手に取る。そして山姥切の元へ駆け寄りこの綺麗な花を差し出す
あなた
山姥切はこの本丸でたった一振しかいない。強くてカッコイイ刀。ねぇ、俺のための一振になってくれない?

俺がそういうと山姥切は目がこぼれ落ちるんじゃないかってくらい見開いたがすぐに布で顔を隠してしまいそっぽ向いた。
山姥切国広
う、写しでいいならあんたのための一振になる

山姥切はそう言って俺の方に顔を向けた。
その顔は赤くなっており視線がウロウロしている
そんな可愛い反応に俺は思わず笑ってしまった
あなた
ハハッ!山姥切って可愛いね〜!
山姥切国広
なっ…!俺は可愛くなんてない!!

可愛いと言いながら頭を撫でると赤かった顔が更にタコくらい赤くなるもんだから余計に笑ってしまう
こんなやり取りをしていると気づいたら夕餉の時間になっていた。そして俺を探していた加州が遠くから声をかけてきた


加州清光
あるじー!燭台切がご飯できたから早く来てってよーーー!!
あなた
今向かうから待っててー!

俺の返事を聞いた加州は後ろを向き本丸の方へ戻って行った。

俺は目の前にいる花を持った山姥切に手を差し伸べる


あなた
じゃあ行こっか。一緒にご飯食べるでしょ?
山姥切国広
あぁ、もちろん俺は主のための一振だから主の隣で食べるぞ






山姥切はそう言い花を持ってない方の手で俺の手を取る
最初の頃とは見違えるほど明るくなっており口角が上がっている。

そうして俺たちは一日を過ごし眠りにつく。




ある夢を見た。
俺がこの本丸を去る夢
初期刀の加州も置いていき何時も持っている鶴丸も置いていく夢

予知夢なのか単なる夢なのか……………
《別視点》


急にやってきた男に急に部屋から出されある木の下に座らせられた
そこはこの本丸が出来た時からいる俺でも知らない所だった
そして急に立ち上がってなにか取りに行ったかと思ったら俺に花を渡してきた。
この事にも驚いたかそこに追い討ちで俺のための一振になって欲しいと言うではないか
写しの俺には部相応のカッコイイ、強いと褒めるではないか
俺はその時初めてドキドキした
主として認めざるおえないと思った
写しの俺に花を渡す姿が眩しく、カッコよくて俺は思わず顔を背けたが意を決してもう一度顔を向ける。
視線は左向いたり右向いたりとしてたがまぁいいだろう

山姥切国広
う、写しでいいならあんたのための一振になる

もしかしたら声が震えていたかもしれない
だが主は可愛いと言って頭を撫でてきた
俺は花を受け取り主が頭を撫でているのを拒否するでもなく享受していた。
俺はずっとこの時間が続けばいいと思ったがどうやら許してくれないらしい
だがその後も一緒に食事をしたりした。
主は離へ帰り俺は自室に戻った
いい感じの花瓶になる物を探し容器に水を入れ、主から貰った花を入れる


山姥切国広
主が俺の為にくれた花……


それだけで心が華やかになる。今まで自室に籠っていた俺がアホらしくなるほど自信を持った気がする
俺は花瓶を机の中央に置き主がくれた花をずっと見ていた
山姥切国広
明日も主と会って沢山話をしよう

そう俺は心に決めた
明日が来るのか楽しみである
これは恋なのか尊敬なのか………


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