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第1話

叶わぬ恋?
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2022/09/04 13:41 更新
「なぁ、慎太郎〜」

『なぁんだよ樹〜』

「ドライブ行こうぜ」

『えっ、いいけど…』

「えっ、てなんだよ笑」

『いや、樹から誘ってくるの珍しいなって』

「行かねぇならいいけど?」

『行く行く!行くよ!』
.
.
そんなこんなで樹の車の中
チルな曲が流れる中
たわいもない話で盛り上がる

「うわ、あの女の子可愛い」

『よそ見してると事故るよ?』

「赤信号だからいいんだよ」

「は?彼氏持ちかぁぁ!」

なんて運転席で騒ぐ樹
そんな姿を横目で見る

「恋、してぇなぁ」

『何言ってんだか爆モテさんが』

「ピュアっピュアな恋愛がしたいんだよ俺は」

『ピュアっピュアねぇ』

「そんな慎太郎は恋してねぇの?」

『んー、どうだかねぇ』

「ほら、兄ちゃんに話してみ?」

『…叶わぬ恋って、あると思う?』
.
.
叶わぬ恋。
.
.
「無いな。叶わぬ恋って、諦めてんじゃん」

「諦めなければさ、なんでも叶うもんよ」

『かぁぁ…やっぱり爆モテじゅったんは考え方が違うなぁ!』

「うるさいなっ!声でかいわ」

諦めてる、か…
確かにそうなのかもしれないし
そうじゃないかもしれないし。

「何、そんなしんどい恋してんの?」

『してるって言ったら?』

「んーまぁ、危ない関係とかじゃなければ応援するけど」

『そっか…』

「ふっ、暗い顔だなぁ?」

『そんなことないしぃ』

あーだこーだ話してるうちに
もうタイムリミットは来てしまって
俺の家の駐車場に着く

「よーし、着いたぞー」
.
.
諦めなければ。
.
.
「慎太郎?どした?」

心臓がうるさい
声が上手く出ない

「酔った?」

シートベルトを外してこちらに身体を寄せる
少し近づいた距離に
無意識に手が動いて

『じ、じゅり…』

手首を掴む手が震える

「ん、どした」

優しい温かい声が耳に入って

『好き』

「慎太郎?」

『俺が、好きなのは…樹、だよ』

「そういうことな、叶わぬ恋って。」

何決めつけてんだよ
って、温かい手が俺の頭を撫でて

「諦めたらそこで試合終了って言うだろ」

『樹…』

「素直に嬉しいよ、その気持ち」

「でも、慎太郎をそういう目では見れないかな」

『そ、そうだよなぁ!そ…』

「まだな」

言いかけた時に割り込むように聞こえた
.
.
まだな
.
.
たったその3文字

「俺の事、好きでいてよ。俺がよそ見出来ないくらいに慎太郎の気持ち頂戴」

『いいの?』

「慎太郎からめっちゃアプローチ来るの楽しみにしてるわ」

「大丈夫、からかいとか遊びとかじゃないから。意識させてよ慎太郎」

『い、言ったな?!どうなっても知らないからな!』

「楽しみにしてるわ笑」

恥ずかしくて逃げるように車を飛び出て
エントランスに向かう

「慎太郎!」

窓を開けて名前を呼ばれる
手を少し出して手招きされるから
車に近づいていく

「伝え忘れてたことあったわ」
.
.
.
「今日で少し意識した」

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