斬られた足を押さえ、僕は呻く。
呟くけど、既に夜も更けてきている。
人がいるわけが無かった。
それでも僕は言葉を続ける。
その後は、涙が溢れてきて続かなかった。
悔しい。
悔しい。
何もできない自分が悔しい。
若い男の人の声。
ザッザッザッ
足音が聞こえた。
視界が滲んで分かりづらいけど、
誰かが僕の前に立ってるみたいだ。
その人は慌てた様子で僕に話しかける。
別の声がした。
他にも複数人いるんだろう。
腕を持ち上げられる。
僕は弾かれたように顔を上げた。
目を見開いて、目の前に立っている人達を見る。
頭を悩ませる短い黒髪の少年。
僕の傷を見ている眼鏡をかけた少年。
腕を組んでいる、長い黒髪をおろした男の人。
少女のような風貌の少年。
黙ったままこちらを見ている、
ぼろぼろの布を被った金髪の男の人。
そして目の前に座って心配そうに見つめてくる、
黒髪をポニーテールにした男の人。
全員、どこか別の時代から出てきたみたいだ。
あの日、傷だらけで倒れていた清光のように。
僕が言うと、先程『安定』と呼ばれた刀剣男士が
僕を抱き上げた。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。