恵美 まどか
でも……まさかこんな形で再び学校に行くなんてね……
美術室前で、僕がそう呟いた。
踏分 誠一
まあせやな……
恵美 まどか
……
僕は少し怯んで、誠一の背中にスッと隠れる。
踏分 誠一
__大丈夫か?
踏分 誠一
嫌なら帰ってもええんやで?
恵美 まどか
いや、大丈夫
恵美 まどか
それに……
恵美 まどか
……この方法で、絵が完成出来るなら
踏分 誠一
……
踏分 誠一
……そーか
踏分 誠一
それじゃ、入るで?
恵美 まどか
…………うん
ガラガラッ
踏分 誠一
こんにちはー!
美術部の顧問
あ、踏分くん。こんにちは
踏分 誠一
はい!
踏分 誠一
それで、今日言った通り……
踏分 誠一
ほら、恵美っ恵美 まどか
う、うん……そして僕は、意を決して先生の前にそっと姿を現した。
美術部の顧問
っ!
美術部の顧問
恵美くん……!
恵美 まどか
あ、えっと……はい
恵美 まどか
(気まずいッ……!)
美術部の顧問
……久しぶりね。元気だった?
恵美 まどか
あ、まぁ一応……
美術部の顧問
そう……それならよかったわ
恵美 まどか
……
美術部の顧問
__……話は踏分くんから聞いてるわ
美術部の顧問
絵を完成させたいって?
恵美 まどか
え、あ……はい、そうなんです……
恵美 まどか
久しぶりだからなのか、納得いく感じに出来なくて……
美術部の顧問
なるほどね
美術部の顧問
まあでも、行き詰まる事自体は誰にでもある事だし、そういう時は一定期間距離を置いた方がいいけど……
美術部の顧問
どうしても早く描き切りたいっていう気持ちは私にも分かるしね
美術部の顧問
いいわ。教えてあげる
恵美 まどか
!
恵美 まどか
本当ですか……!?
美術部の顧問
ええ。それじゃあ、早速描く準備を始めましょう
美術部の顧問
好きな所に座って
恵美 まどか
ッあ、はい……!
美術部の顧問
__あ、そうだ
美術部の顧問
ねぇ踏分くん。せっかくだし、恵美くんの近くに座る?
踏分 誠一
え、い、いいんですか……!?
美術部の顧問
もちろん。こういうのは友達が近くにいると安心できるものだしね
恵美 まどか
(あ……)
美術部の顧問
まあ、恵美くんがよければの話だけど
恵美 まどか
あ、いや、僕は全然いいよ
恵美 まどか
じゃあ、誠一ここ座って
踏分 誠一
おん、わかったわ!
恵美 まどか
…………
恵美 まどか
(納得のいかない所だけをアドバイスするって言われたけど……)
恵美 まどか
(それで直るといいなぁ……)
恵美 まどか
(__えーと、ここはもう少し描き込んで……)
恵美 まどか
(って、あれ?)
恵美 まどか
(なんか、違和感あるな……)
恵美 まどか
(色は別におかしくないし……なんでだろう……?)
恵美 まどか
(……あーもう、またこれか……)
踏分 誠一
…………恵美?
恵美 まどか
__えっ?
踏分 誠一
なんや悩んでる感じしとったけど……どうかしたんか?
恵美 まどか
あ、えっと……
美術部の顧問
もしかして、行き詰まっちゃった感じ?
恵美 まどか
…………はい
恵美 まどか
なんというか、色はおかしくないのに……どうしても違和感があって……
美術部の顧問
どれどれ?
そう言って先生はじっと僕の絵を見る。
美術部の顧問
んー、なるほどね
美術部の顧問
それは多分、バランスが少し良くないのよ
恵美 まどか
え……?
美術部の顧問
ほらここ、右と左で少しだけ歪みの差があるでしょ。そこにさっき色をつけたから、余計にその違和感が目立ったって事
美術部の顧問
だから、そこを均等になるように調整して……あとはさっきの色を上塗りすれば、違和感はなくなるはずよ
恵美 まどか
なるほど……わかりました
恵美 まどか
(均等になるように調整して…………)
恵美 まどか
(…………よし)
恵美 まどか
(後は上塗りをして……)
恵美 まどか
…………あ
恵美 まどか
すごい……直せた
踏分 誠一
ホンマか……!?
美術部の顧問
ええ。よく直せてるわ
美術部の顧問
真下に覗く木々が、全体に良い感じに溶け込んでる
恵美 まどか
あ、ありがとうございます……
美術部の顧問
いいのよこれくらい
美術部の顧問
…………ねぇ恵美くん
恵美 まどか
?……はい
美術部の顧問
こんな風に、誰かに悩みを共有すれば、良い方向に転じる事がある
美術部の顧問
それは、絵でも……人生でもそう
恵美 まどか
……
美術部の顧問
それで……
美術部の顧問
__恵美くんは、誰かに悩みを話す事は出来ましたか?
恵美 まどか
っ!
咄嗟に、僕は誠一の方へ視線を向けた。
僕と目が合った誠一は何も言う事なく、ただ、静かに僕の目を見て微笑んだ。
それを確認して……僕は先生の方へ向きを直した。
恵美 まどか
…………はい
美術部の顧問
…………そう
美術部の顧問
それが出来たのなら、まだいいわね
そう呟いた先生の声は、どこか柔らかい印象があった。
恵美 まどか
(思ったより、結構進んだなぁ……!)
美術部の顧問
さて、そろそろ完全に下校の時間ですね
踏分 誠一
そうですね……!
踏分 誠一
ホンマ、今日は恵美のためにありがとうございました!
踏分 誠一
わざわざ、美術部の活動がない日にしてくれて……!
美術部の顧問
いや、いいのよ別に
美術部の顧問
__恵美くん
恵美 まどか
あ、はい……!
美術部の顧問
また、いつでも来ていいからね?
恵美 まどか
っ……!
恵美 まどか
……はい。ありがとうございます……!
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第26話 第25話 彩れたもの
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!