第8話

同部屋!?
1,100
2023/10/13 13:06
あなた
え、まって、え?祐希さんに私は女の子だから1人部屋って…
高橋 藍
高橋 藍
祐希さんの確認ミスじゃ無い?部屋埋まってて使えへんから1人の俺んとこってさっきコーチから
祐希さんの確認ミス…??!なんて重大なミスを犯してくれてるんだ祐希さん…
半泣きになりながら泊まった行き先は11階。高橋さんが先に降りて向かったのは一番端の部屋、ルームキーをかざし開いた部屋の先は男の子の部屋にしては綺麗に整頓された部屋だった。
高橋 藍
高橋 藍
何してん?早く入ってよ
あなた
…お邪魔します
恐る恐る室内に足を踏み入れる。ふわふわな絨毯の奥、開けたリビングは大きな窓がついており、現実離れした風景に思わず興奮してしまった。
あなた
え!すごい…夜景綺麗!!!
さっきまでの沈んだ気持ちは何だったのやら、あまりに綺麗な室内に、思わずバルコニーに出る。一応人様の部屋ではあるけど…この期間、私の部屋でもあるんだから自由に使わせてよね
あなた
すごーい!ホント綺麗だなぁ…
高橋 藍
高橋 藍
お楽しみ中申し訳ないんだけど荷物くらい置いたら?笑
あなた
え…あ、
帰ってきてそのままバルコニーに飛び出したものだからリュックも背負ったまま。いそいそと室内へ戻れば高橋さんの荷物の隣にリュックを下ろした。
あなた
…高橋さんって、
高橋 藍
高橋 藍
藍でええよ
あなた
ッ、藍さん?
高橋 藍
高橋 藍
あなた
…藍は、私がいて嫌じゃ無い…んですか、
私が藍、と名前で呼ぶと満足そうに笑う藍。思ったより可愛いとこあるな、なんてこっちまで嬉しくなってしまった。
高橋 藍
高橋 藍
前のマネージャーの話聞いたんやろ?
あなた
…はい、
高橋 藍
高橋 藍
…俺はまたああなったら嫌やなって思ってただけ。別にあなたの下の名前の事が端から嫌いやったわけじゃ無い
あなた
…よかった、私もそのこと聞いて納得したけど…最初嫌われてるのかと思って…
高橋 藍
高橋 藍
でも俺に感化されたんか知らんけど、俺のこと嫌いやったやろ?
あなた
…まぁ、あんな態度取られちゃあ…ね笑
高橋 藍
高橋 藍
ごめんな、
初めて藍から謝罪され、頭を撫でられる。ここのみんな、私の頭撫でるの好きだなぁ…まあ、悪い気がしないからいいけど、と私は大人しく撫でられていた。
あなた
…でも、私藍と仲良くなれて嬉しいです、
高橋 藍
高橋 藍
敬語も禁止、大して歳も変わらないんやからタメにして
あなた
え、でも、
高橋 藍
高橋 藍
…有志さんはいいのに?
子犬のようにきゅるきゅるとした瞳で見つめられてしまえば、返事はyesしかない。未だ慣れないタメ口で話せば藍は更に嬉しそうに笑った。
高橋 藍
高橋 藍
俺も嬉しい、これから同部屋やし、よろしくな。あなたの下の名前
あなた
うん!おねがいします



















高橋 藍
高橋 藍
お腹空いてる?
あなた
うーん、ちょっとだけ空いてるかなぁ
高橋 藍
高橋 藍
ご飯作ろか
突然私の目の前で服を脱ぎ出す藍。いつもみんな体育館では脱いでるのは知ってたけどこんな間近で見ることはなくて思わず変な声が出てしまう。
あなた
へ、ッ…!?
高橋 藍
高橋 藍
…何?
あなた
い、いや、すみません…
高橋 藍
高橋 藍
今更照れてるん?笑
あまりにも上半身が筋肉質で、ドキドキしてしまったのは内緒。私に構うことなく着替えれば部屋着姿の藍が台所へと立った
あなた
あ、待って!私も手伝う!
高橋 藍
高橋 藍
おー、まず着替えてきてや
あなた
う…はい、
藍に言われた通り脱衣所に駆け込んで持ってきた部屋着に着替える。ホテル内は予想通り暖房が効いてて暖かいから短パンで正解だな、と無地の白Tシャツに黒の短パンにした。
あなた
…ダサいけど部屋着だし、
着替え終わって練習着を洗濯籠に突っ込めば藍のいるキッチンへと向かった












あなた
何手伝えばいい?
高橋 藍
高橋 藍
あぁ…って、ちょっと、短パンなの?
あなた
え、マズい?
高橋 藍
高橋 藍
…いや、別にマズくないけど…
そう言った藍は私の格好を見て頬を赤らめる。ましてやコイツ、なんかよろしく無いこと想像してない?笑
あなた
何、生脚だから?笑
揶揄うように頬をツン、とつつくと藍ははぁ、と小さく溜息をついた。
してやったりと私は浮かれていると突然、料理箸を置いた藍が私の腕を取りグイッと引き寄せる
あなた
…ッ!、?





高橋 藍
高橋 藍
男の部屋で生脚出してるようじゃ…ね?


突然藍の顔が近付き、その距離僅か数センチ。あまりにも綺麗なその顔が目の前まで迫って息が詰まった。
あなた
…へ、あ、…?
高橋 藍
高橋 藍
…なんて、勝手に意識すんなばーか。
ピン、と額を弾かれ痛い!と額を抑える。
不意にもその真剣な眼差しにドキドキしてしまった、この胸の高鳴りどうしてくれるつもりなの…?
あなた
…もう!揶揄わないで!
高橋 藍
高橋 藍
どっちが、笑
藍は私の腕を離せば再び料理箸を握る。
はぁ…と今度は私が深めの溜息をついて、軽く手を洗う。ちら、とキッチンを眺めるとまな板の上に切られる前のベーコンがあるのに気づき藍に声をかけた。
あなた
これ切っていいの?
高橋 藍
高橋 藍
うん、適当に一口サイズくらいに
あなた
今日、カルボナーラ?
高橋 藍
高橋 藍
正解
あなた
やった!
私の大好きなカルボナーラにウキウキしながら、藍と2人並んで料理をした。

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