【この話は自殺のお話ですリアルではないですが苦手な方は閲覧しないでください】
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私は木
人間の周りに何かしらひとつは木製の何かがあるはず
私を薄くして紙にすることだってある
私は沢山加工され色んな場所にいる
それでもやっぱりいちばん綺麗なのは加工されない私だ
樹海とか山だ私が沢山あってとても美しい
たまに伐採されてしまうのは嫌だがね
このような人間の他にも
こんな風に私の美しさを絵にする人間もいる
あぁなんて私は美しく役に立つのだ
まあ、こんなにも美しい私を切り落とすのは酷いと思うが
おや?またしても私の樹海に入る者がいるようだ
こいつも人間か
しかしなんだ?スーツ姿でほとんど何も持っていない
目に涙を浮かばせながら何を呟く?
この人間は何をしに来た?
私の樹海に入ってきて何を勝手に怒っている
美しい景色が台無しになってしまうだろう
その看板には
「命は大切です」
「両親や兄弟、家族のことを考えてみましょう」
何を言っているんだ?
その様子は酷く荒れていた
ここに来て何故こんなにも怒っているのだ?
するとその男は唯一持っていた縄を見つめ
結び始めた
全く何をする気だ
縄を輪になるよう結びそれを私に括り付けた
ふざけるな私に何をつける
美しい私を汚そうとしているのか?
やつは近くの私の根っこにのり私に登る
男は輪に首を通す
何をしている
その行動は一体何だなぜ私に吊るす
少しもがいているようにみえる
やめろ、やめろ
私を汚すななんで私なんだ
何をしているんだやめろ
しばらくすると男は動かなくなり
尿や糞を垂れ流し始めた
何故だ何をしているんだ私を汚すな
やめろ、やめろ
綺麗な私が汚れていく
風に吹かれ吊るされてある私の枝がミシミシ音を立てる
今すぐどけ
どいてくれ
私を汚すな私が何をした
私は綺麗だったのに
ひとしきり私を汚した男は何も言わず動かず
息もせず死んでいる
なぜこいつは死んだ?
なぜ私は汚れた?
私を切る時だってそうだ
なぜ人間は私を傷つける
なぜ私を苦しませる
人間は
人間はなんて酷いんだ
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木はみている
人々が綺麗な森や樹海で楽しむ様子を
木はみている
自身を切り落とす人間を
木はみている
自身を使い縄を括り付け自殺する人間を
やつれた顔をした人間の顔
とても苦しんだろうが木には関係ない
筆者は自殺は否定しないが
自殺を引き起こし自然を汚す世界は否定する
自殺をするのは人の自由
ただし
それによる害をお忘れなく











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!