俺は真っ赤に燃える火
全て俺のおかげ
俺ので暖を取る奴もいる
それに俺がいなきゃ肉は食えない
焼けないからな体調を崩しちまう
ほらなここはステーキ屋だが俺のおかげで肉が焼ける
あらら失敗してんな
たまに俺の強さを間違えて焦がすやつもいる
こいつの場合は落としたようだ
全く何やってんだか
落ち込んでんな全く
もっと俺みたいに熱く、明るくなればいい
俺で熱くなった鉄を触るなんて
人間はみんなこんななのか?
向いてないな
どうせこいつもすぐ辞める
料理人を志しても失敗続きで辞めるやつはいるからな
全くなんなんだこいつは
もっと他の奴らみたいな情熱はないのか?
いつまでも落ち込みやがって
あいつは帰ったのか
まあどうでもいいだろう
………
「カチッ」
という音とともに俺はまた燃える
そうするとこいつは料理をはじめた
肉を焼き、調味料を作り、米と卵その他を混ぜてチャーハンを作ったり
火傷をしては俺は消され
また燃える頃には復活してるがさほど時間が経っていないように見える
そう言って最後の料理を作りながら呟く
すると焼き終えた瞬間俺は消された
それから俺は毎日とはいかずとも高頻度であいつに使われた
まだまだ半人前だな
他の俺が見てきた料理人より下手くそだ
だんだん料理を作り続けると失敗が無くなってきた
途中で俺が消されることも少なく料理を中断しなかった
そして次俺があいつの前に現れた時
大量の食材があった
そして俺は沢山使われた
色んなものを焼いた
そして消されしばらくする
次俺がついた時
俺はケーキの上のロウソクにいた
そうか
こいつはこのためにこんなに沢山の料理を作ったのか
笑いながら歌ってる
多分料理を褒められたんだろうな
こいつは美味い料理を人間に食わせるために
喜ばせるために練習してたのか
そうだ
今まで見てきた料理人達も
努力して何度も練習して上手くなっていた
こんなに努力するなんて
人間はなんて熱いんだ
ひとつの事にこんなにも努力して熱くなれるなんて
子供が息を吹いた瞬間
俺は消えた
………………
火はみている
美味い料理を作る人間を
火はみている
誰かを祝う人間達を
火はみている
諦めず、ひたすら努力する人間を
誰も見ていなくても
練習するために必要なもの達は
料理のための火は
その努力をみているかもしれない
火だけじゃない
実は何が誰かが、こっそりとみているかもしれない











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!