ザァァァァ……
鳴り止まない雨音
生徒の笑い声が聞こえる授業後の校舎。
とあに誘われたのを断って、俺はいじめっ子に
言われた通り屋上へ上がる。
ザァァァァ……
ガチャッ
雨の中でもいじめっ子の甲高い声はよく聞こえていた。
キリキリキリ……
そう言うと、刃が出たカッターを俺の目の前に差し出す。
いよいよいじめも本格的になってきたかと思えば。
「 賭けをしようよ 」
俺の中で、一瞬時が止まった。
コマ送りの映像を観ているかのように、、
自分を外から見ているみたいに、、
「 と あ く ん と も う
関 わ ら な い か 。 」
雨の音は一層強まって、俺の呟いたひと言なんてなかった
かのようにかき消した。
何もない、空白の時間が屋上に流れる。
プルルルルル
その沈黙を破ったのは、一通の電話だった。
いじめっ子達が場が悪かったかのように走って校舎に
戻ると、俺はスマホの応答ボタンに手を伸ばした。
電話越しに聞こえるけちゃの元気で楽しそうな声に、
俺は少し落ち着きを取り戻した。
そうだよ。そう
俺には「アンプタックカラーズ」があるじゃないか。
俺が答えるよりも先に電話を切ったけちゃは、
少しだけ、俺の救いになった。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!