雪が降って、どこか浮ついた空気が漂っていた。
窓側の席だった私は、授業中も窓に釘付けだった。
休み時間は皆んな友達グループで集まって、放課後雪遊びの予定を立てている。
私はひとりぼっちだから、机から本を出して、気を紛らわせる。
次の瞬間、ざわざわしていた教室に一本の明るい声が通った。
急に呼ばれた私の名前にびっくりして、思わずガタンっと立ち上がった。
声の飛んできた方向の廊下を見た。
ニコニコしながら、手招きをされて、慌てて廊下に出た。
にっこり笑った顔。目が赤く腫れているのを見て、不意に手が伸びた。
驚いて目を見開いて、あたふたしていたが、すぐに下を俯いてしまった。
私の胸に体重をかけて、ぎゅっとしがみついた。
小刻みに肩が震えていて、嗚咽が聞こえた。
ぽろっと出た本音に、思わず驚いた。
いつもみたく追い払う気が失せた。
寄り添ってあげなきゃ、と体が動かなかった。
ずっと私の胸の中で泣き続けている様子を見て、かける言葉が見つからなかった。
数秒の沈黙があった後に
言われ慣れていない言葉にどんな反応をしていいか分からなくなったが、すぐに離れていった。
まだ赤い目元のまま、いつもの笑顔で走り去っていった。
翌日
また泣くのかと思って、心配になって
きさはポカン…とした後に、ブッと吹き出した。
くすくす笑いながら、お腹を抑えているきさを見て、今日はポニーテールをしていることに気づいた。
ふふんっと、誇らしげにクルクル回ってアピールしてくる。
これ以来、きさは毎休み時間に会いにきてくれるようになった。
家が近いことも発覚し、時々私と帰ってくれるようにもなった。
そして今に至るわけだ












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!