.......ここは何処だろう。
下が白くて上が黒い。
ただそれだけで、何もない。
いきなり、声がした。
声がした方を向くと、そこには
僕がいた。
どういう事だ?
理解が追いつかない。
思わず声を出してしまった。
.......え?何で?
そういった瞬間、周りが眩い光に包まれた。
ガバッ
辺りを見回すと、そこは病室だった。
.......ここは何処だろうか
あの世界だけ.......か
此処は何処だろうか?
そんな事を考えながらベットを降りて部屋から出ようと
すると
ガラッ
音がして戸が開いた。
訳が分からないので、とりあえず会釈しておく
その子は、そう言って部屋を出ていった。
師範って誰だろう?そんな事を考えていたら
さっきの子が誰かと一緒にやって来た
あれは.......確か.......蟲柱 胡蝶しのぶ様.......だったけ?
僕は、その後色々な話を聞いた。
水柱様が運んでくれた事、此処は蝶屋敷でさっきの子は栗花落カナヲちゃんと言って蟲柱様の継子で僕の看病をしてくれたらしい
そして.......僕は1週間、目が覚めなかったらしい
嗚呼、これか.......
.......この人達は指文字が分かるのだろうか?
まあ、伝わらなくてもやるしか無いよなぁ
正直、驚いた。
伝わるなんて思っていなかったから。
隣のカナヲちゃんも理解してるらしく、凄いと思った。
そう言って、部屋を出ていってしまった。
カナヲちゃんと2人きりだ。
.......沈黙が辛い
それを破ったのは、カナヲちゃんだった。
ああ、その事か.......
聞いてもいいか迷ったらしく、少し間が開いた。
.......僕は、その質問にこう答えた。
カナヲちゃんは、困ったような顔をしていた。
.......そりゃそうか、いきなりそんな事言われたら
戸惑うよな。
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胡蝶しのぶside
『用事があるので』そう言って出てきましたけれど
用事なんでありませんよ。
でも、不思議ですね.......
富岡さんは『何もない所』と言っていたのに
瑠亜さんは、昔住んでいた『家』と言いました。
何故でしょうか.......
まあ、考えても仕方ないので富岡さんの所に鴉でも
飛ばしましょうかね。
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今回から文字数を書きたいと思いますっ!
今回は、1856でした!
それでは、また次回お会いしましょう!
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。