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THE §800 CITY
THE §800 CITY ――§800の土地から始まった街―― 六人の国王のもとへ、同じ招待データが届いた。 「各国の知見を集結し、次世代都市を建設する」 指定された場所へ向かった彼らを待っていたのは、巨大な未来都市でも、国際会議場でもなかった。 青空。 川。 赤い鉄橋。 そして――ほとんど何もない土地。 空港はない。 交通網もない。 迎賓館もない。 病院もない。 市場もない。 市役所さえない。 あるのは、わずか**§800で取得できる土地**と、小さな農地だけだった。 自国へ戻れば、彼らは国家予算を動かす国家元首。 しかし、この街では王宮も、官僚も、建設部隊も、潤沢な資金もない。 王冠は道路を造らない。 権威は水道を引かない。 肩書きだけでは、夕食さえ出てこない。 都市を造りたければ、自分たちで資金を得るしかなかった。 そこで六人の国王が始めたのは―― 農業だった。 作物を育て、売り、資金を蓄える。 やがて市役所が建ち、行政が始まり、住民が増えていく。 しかし、豊かさへの道は華やかなものではない。 長時間の農作業。 市役所勤務。 質素な職員寮。 限られた家具と設備。 共同生活。 節約。 そして、街の発展よりも早く上昇していく土地価格。 新しい土地を買えば、次の土地はさらに遠ざかる。 だから彼らは考える。 何を建てるのか。 何を諦めるのか。 何を共有するのか。 限られた資源を、誰のために使うのか。 都市の価値が上がることと、そこで暮らす人々が豊かになることは、本当に同じなのか。 そして何より―― 誰が六人の国王を、この土地へ招待したのか。 これは、何もない土地から始まる都市開発の物語。 国王でありながら働き、節約し、同じ屋根の下で暮らし、ときには畑で収穫を待ちながら、六人が一つの都市を育てていく成長記録。 後に巨大な未来都市となる場所に、最初に記録された土地価格は―― §800。 THE §800 CITY。 これは、その最初の記録である。
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