オレは、小柳ロウを誘って探索に行くことにした。
「ロウ、…一人じゃ危ないから、行こう」
オトモを撫でる手を止めた小柳は、小さくため息をついてゆっくりと起き上がった。
「…わかってんだ、…もう、ウェンが、…」
小柳はそこまで言って言葉を詰まらせる。悔やむように唇を嚙んだ彼の目元は、前髪に隠れて見ることは叶わない。
オトモを肩に乗せた小柳は、羽織っていたマントを脱いで自身のベッドに投げ捨てた。
「何してんだ、…行くんだろ、探索」
伊波を振り返った小柳の表情は、もう悲しみに暮れてはいなかった。否、その瞳にはまだ仄暗さが残っている。だが、もう彼は、うじうじと後ろを向くことはやめたようだった。
颯爽と部屋を出ていく小柳の背中を、伊波は小走りで追いかけた。
Q.どこへ行きますか?
仮面の間
図書館
ラウンジ












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。