第11話

奴隷💎
231
2025/03/26 03:45 更新
こちら夜ご飯です


mob
遅い


mob
もっと早くしろと言ったはずだ


ごめんなさい


mob
もういい。下がれ


はい。失礼しました




バタン


冷たい廊下を歩く


僕はこの家のメイドとして働いている


いや、間違えた


奴隷…か


元は僕もこの家の子だった


でも、僕はみんなに嫌われていた


この家は代々女子おなごが家を継いでいる


昔、女子の方が生まれやすかったらしく


男子おのこは数年に1度


くらいのペースで生まれていた


そのため、女子の方が尊重され


男子の扱いは残酷だった


僕は数年に1度の男子として生まれてきた


男子を産んだ母親は屋敷から追放され、


男子自身は屋敷に残される


母親は自分の子を置いて、屋敷を出なければならない


僕の母親もそうだった


物心ついた時にはもう


僕の母親は居なかった


そして


この屋敷でメイド奴隷として働いていた


それでさっきのように怒鳴られたり


時には殴られたり


熱々のご飯を投げつけられたり


色々されてきた


1年に数人、子が生まれるが


みんな女子だった


奴隷として働いている人達の半分は男子


僕が1番若い奴隷


要は、僕の後に誰も男子が生まれてないってこと


(1番若いからってなんで毎日怒鳴られなきゃなんだろ)


色んな奴隷がいるが


僕が1番雑用を押し付けられる


それが、この家のものだったり


同じ奴隷のやつだったりといろいろ


(誰に押し付けられようと、なにも変わんないか)


mob
あ、君


はい


mob
これ、やっといて


そう言って渡されたものは洗濯カゴ


(畳め…って事ね)


はい。わかりました


僕の睡眠時間がどんどん削られていく


正直眠いけど


断ったら何やれるか分からない


仕方なく、部屋に持ち帰る


(お母さん……)


部屋に飾ってある1枚の写真を見る


(元気…かな…)


この屋敷を追放された者の行方は誰も知らない


みんな"居なかった人"とされるから


唯一存在が残るのは、自分の子供の心のなか


(量…多いいな)


mob
おいほとけ!!


誰かが叫んでる


mob
今日のご飯を作ったのはお前か!!!?


はい。そうですが


mob
リビングに来い


ぁぁ…殴られるのか…


いや…投げつけられる…?


それとも暴言…?


mob
お前、良くもこんな覚めた料理を出してくれたな!!


mob
お前、俺をなんだと思ってんだ!!!?


自分が食べるの遅いだけじゃん…


僕は熱々で出してるし


申し訳ありません


ベチャッ


mob
作り直せ!!!


かぼちゃのスープを投げられる


(………)


わかりました


また、洋服汚れちゃったな…


厨房に入ると


僕と同じように作り直している人が数人


その人たちもみんな洋服が汚れている


(冷たかっただけマシか)


明らかに火傷している人もいる


mob
あなたも作り直し?


はい


mob
そうなんだね


……


無心で作る


メニューを変えたら怒られそうなので同じやつを


……


トントントン


ジャ-


ジュウジュウ


ピ-ピ-ピ-


ただ、調理している音だけが厨房を包む


みんななにも喋らず


無心だ


(こんな所にいたら心無くなるのも当たり前か)


僕も実際心なんてないし


人の温もりも


愛も


温かさも


何もかも僕は知らない


ただ知っていることは


性別で扱いを分ける者がいるということ


(できた…)


お待たせしました


mob
おっせーよ


こちらです


失礼します


mob
んだよ、あっちーな


mob
もっと冷ませよ


(自分で熱いの。って言ったのに)


そう思いながら厨房に戻る


mob
お前さ、片付けてから出せよ


mob
邪魔なんだけど?


ごめんなさい


奴隷の分際でなに言ってんだろ


なんで奴隷にも立場があんのよ


(僕たちはみんな誰にも求められてないんだから)


(そこで命令してもなにも変わんないじゃん)


それでも少しでも上にたちたいんだろうな


洗い物を済ませ、自室へ戻る


さっき押し付けられた洗濯物を畳む


(ここは静か…だな…)


僕はなんのために生きてるんだろ…


この屋敷で生まれてしまった以上、


ここから開放されることは無い


余程のことをしない限り


または自殺しない限り


(今日も、何人かが死ぬんだろうな…)


この地獄から救われようと


自殺する者は少なからずいる


…………僕はしたいと思わないけど……


(ほらまた…)


ここは飛び降りた人が見えてしまう


まぁ、これもわざとなんでしょうけど




洗濯物を畳み、やっと寝れる


(なんで、生きてんだろ…)


(なんで…あんな奴のために仕えてるんだろ…)


そう思っても抜け出せない


この呪いから


きっと僕は明日もそうやって生きている


(……もう、死にたい……)


(…いっそ、消えてしまいたい…)




矛盾を抱えながら…………
よくわかんない話になっちゃった
伏線ぶち込んだから探してみて()

プリ小説オーディオドラマ