バタン
冷たい廊下を歩く
僕はこの家のメイドとして働いている
いや、間違えた
奴隷…か
元は僕もこの家の子だった
でも、僕はみんなに嫌われていた
この家は代々女子が家を継いでいる
昔、女子の方が生まれやすかったらしく
男子は数年に1度
くらいのペースで生まれていた
そのため、女子の方が尊重され
男子の扱いは残酷だった
僕は数年に1度の男子として生まれてきた
男子を産んだ母親は屋敷から追放され、
男子自身は屋敷に残される
母親は自分の子を置いて、屋敷を出なければならない
僕の母親もそうだった
物心ついた時にはもう
僕の母親は居なかった
そして
この屋敷でメイドとして働いていた
それでさっきのように怒鳴られたり
時には殴られたり
熱々のご飯を投げつけられたり
色々されてきた
1年に数人、子が生まれるが
みんな女子だった
奴隷として働いている人達の半分は男子
僕が1番若い奴隷
要は、僕の後に誰も男子が生まれてないってこと
色んな奴隷がいるが
僕が1番雑用を押し付けられる
それが、この家のものだったり
同じ奴隷のやつだったりといろいろ
そう言って渡されたものは洗濯カゴ
僕の睡眠時間がどんどん削られていく
正直眠いけど
断ったら何やれるか分からない
仕方なく、部屋に持ち帰る
部屋に飾ってある1枚の写真を見る
この屋敷を追放された者の行方は誰も知らない
みんな"居なかった人"とされるから
唯一存在が残るのは、自分の子供の心のなか
誰かが叫んでる
ぁぁ…殴られるのか…
いや…投げつけられる…?
それとも暴言…?
自分が食べるの遅いだけじゃん…
僕は熱々で出してるし
ベチャッ
かぼちゃのスープを投げられる
また、洋服汚れちゃったな…
厨房に入ると
僕と同じように作り直している人が数人
その人たちもみんな洋服が汚れている
明らかに火傷している人もいる
無心で作る
メニューを変えたら怒られそうなので同じやつを
トントントン
ジャ-
ジュウジュウ
ピ-ピ-ピ-
ただ、調理している音だけが厨房を包む
みんななにも喋らず
無心だ
僕も実際心なんてないし
人の温もりも
愛も
温かさも
何もかも僕は知らない
ただ知っていることは
性別で扱いを分ける者がいるということ
そう思いながら厨房に戻る
奴隷の分際でなに言ってんだろ
なんで奴隷にも立場があんのよ
それでも少しでも上にたちたいんだろうな
洗い物を済ませ、自室へ戻る
さっき押し付けられた洗濯物を畳む
僕はなんのために生きてるんだろ…
この屋敷で生まれてしまった以上、
ここから開放されることは無い
余程のことをしない限り
または自殺しない限り
この地獄から救われようと
自殺する者は少なからずいる
…………僕はしたいと思わないけど……
ここは飛び降りた人が見えてしまう
まぁ、これもわざとなんでしょうけど
洗濯物を畳み、やっと寝れる
そう思っても抜け出せない
この呪いから
きっと僕は明日もそうやって生きている
矛盾を抱えながら…………
よくわかんない話になっちゃった伏線ぶち込んだから探してみて()











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!