第10話

眠る(夢主出ません)
30
2024/06/27 22:23
馬車の中
リィ
ぴくと様、これからどうするのですか。
ぴくと
……わからない。こんな簡単にバレるなんて、思ってなかったんだ。
リィ
……甘いですよ。
ぴくと
………甘い、か。
リィ
帰したくないんでしょ?
ぴくと
あぁ。……可愛くなっちゃったんだよ。
リィ
……記憶が戻らないことを祈りましょう。私も心外ですが、妹のように可愛くなったのは確かです。
頭を撫でる
ぴくと
リィが?どういう風の吹き回しだ?
リィ
……きっと、家族がいたならこんな思い何でしょう?守らなければって。ぴくと様とまた違う、守らねば。
ぴくと
ふぅ〜ん、あのリィが変わったね。
リィ
私もびっくりしてます。好きという感情ではないです。説明ができない。難しい感情です。
ぴくと
リィ、人らしくなったね。
リィ
………暗殺を生業だった私が人ですか。
ぴくと
そう。拾った頃からずいぶん変わったよ。君も先生からだったね。
リィ
そうでしたね。なんというか、縁でしょうか。
ぴくと
………そうかも。
顔色の良くない顔色
心配そうに見ながら、優しく頭を撫でるリィだった
数日後
しにがみ
ぴくとさ〜ん、遊びに来たよ〜!
クロノア
お邪魔しまーす。
ぴくと
予告なしにくるんじゃなーい。
しにがみ
え〜、いいじゃないですか。予定もないんだろうし。
ぴくと
いや、暇ではないよ。
しにがみ
大丈夫大丈夫!彼女のお見舞いですよ!
ぴくと
いや、あの子もダメだよ?
クロノア
なんで?
ぴくと
まだ調子が戻らないらしくて、フラフラしてるんだよね~。まぁ、貧血なんだろうけど。
しにがみ
大丈夫なの?
ぴくと
自室でできる仕事はしてるよ。でもね~、気が付くとぶっ倒れちゃうから怖くてね。
クロノア
普通にヤバいでしょ。
ぴくと
リィも心配でちょこちょこ見に行ってる。ちょうどいいから行くか。
椅子から立ち上がり、部屋の外へ
ぴくと
ついてきて〜。
2人が後を追う
ぴくと
相当血を吸われたにしても、なんか変なんだよね。なんかこう、意識がはっきりしないというか……
クロノア
混濁?
ぴくと
なのかなぁ。分からないんだわ。
しにがみ
何をされたんだろね〜?
ぴくと
間違いなく、血は足りてない。彼女の健康状、そろそろ復活しそうなんだけどね。
1つに部屋の前で止まる
ぴくと
リィ、入るよ!
ガチャッと扉を開ける
ベッドの脇に立つリィがいた
リィ
ノックはしましょう、ぴくと様。
ぴくと
声掛けました〜!らんは?
リィ
眠ってます。
しにがみ
失礼します〜……
クロノア
すみません……
リィ
これは大変失礼を……
しにがみ
い、いいんです!お見舞いに来たんですけど……
リィ
申し訳ありません。今はこの状態でして、お話は無理ですよ。
クロノア
少し、顔を見たら帰ります。
リィ
申し訳ございません。
ぴくと
リィ、少し仕事の相談があるんだけど。
リィ
わかりました。少し離れます。
2人が居なくなる
クロノア
………しにがみ!
しにがみ
あいよ!
しにがみが眠る彼女の手を取る
しにがみ
ごめんね〜。君の深層領域見せてね?
しにがみが異能を使った

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