第14話

17
2024/06/29 09:52
あなた
やめて……
よこせ………
あなた
やめて……!
もうすぐだ………
あなた
消さないで!!
さぁ、落ちろ………
あなた
助けて……
助けて、皆。兄様……しんぺい………!
無駄よ……諦めるがいい……
あなた
お願い、助けて………
らん
はっ!!
汗だくで目が覚める
らん
っ……行かなきゃ。
どこへ……
らん
行かなきゃ……だめなんだ………
フラフラのまま、ベッドから起き上がる
らん
誰かって、呼んでる………
誰が……?
ピタリと動きを止める
らん
誰?誰だろ……私は誰に会わないといけないの?
自分の手を見る
らん
そもそも、私は誰だ?
顔を押さえる
鏡を見れば、髪の付け根から黒髮に戻り始めている
らん
私は誰?
鏡に触れる
らん
私はらん。らん?違う……
グーパンで鏡を割る
血がガラスに飛び散り、滴る
らん
違う……私はらんではない。私は誰?
廊下を慌てて走る
リィ
ぴくと様ぁ!!
声を掛けると同時に扉を開け放つ
ぴくと
びっくりしたぁ!
机をガタンと蹴飛ばしてしまった
ぴくと
なんだい、朝から。
リィ
て、手紙が………
ぴくと
誰から?
リィ
そ、それより……らんが、らんがいないんです!!
ぴくと
………はっ?!
持っていたコーヒーカップを落とし、割る
ぴくと
手紙、手紙の内容は!?
リィ
た、旅に出ます。自分を見つけて来ます。それだけです!
ぴくと
………ぁああっ!!
頭を抱えるぴくと
ぴくと
俺のせいだ。
リィ
ぴくと様?
ぴくと
俺が帰りたきゃ帰ればいいなんて言うから!ずっと、俺に従えって誓約させれば……こんなことにならなかった!!
リィ
ぴくと様………
ぴくと
リィ、捜索願いを……すぐに連れ戻す!
らん
先生、お久しぶりです。
海の見えるあのお墓に花を手向ける
らん
先生、ごめんなさい。ぴくと様を困らせてしまいました。リィにも迷惑をかけました。
墓石に刻まれた名を指でなぞる
らん
……やっと決心しました。私、自分が誰か探すために旅に出ます。
やっと………
らん
先生に見つけてもらって、1年が経ちました。記憶をなくして、1年です。長過ぎました。
海を見る
らん
私、らんではないです。名前はありません。これから、自分を探しに行きます。自分に呼ばれてる気がするんです。早く、思い出してって。
早く思い出して………
らん
でも、もう少しだけらんでいます。先生、必ず報告にまた来ます。自分を見つけて。
風が吹く
らん
その時、先生の知る私はいないかもしれません。許してください。
墓に向かって一礼する
らん
先生、行ってきます!
墓石に背を向けて歩き出す
らん
さぁて、どこから行こう。
ふと、立ち止まる
らん
そういえば、白国以外知らないや。どっちやろ。
地図を取り出す
らん
ん〜、こっち?あっち?
方向音痴
らん
るっせぇ!黙ってろや!
ピタッと動きが止まる
らん
あれ、私は誰と会話してんの?
ミドリ
イマサラ?
らん
ギャアアアッ!!!?
ミドリ
アッ……
いきなり目の前に現れた人にびっくりして、気絶した
わぁあー!!
書き終わった14話が消えてたーー!

すみません!ごめんなさい!!
土下座して謝ります!!

この14話は書き直した話です。

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