第105話

📖93.過去~ポートマフィア編~16話
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2024/04/15 22:00 更新
太宰治
太宰治
さて……
中原中也
中原中也
おい、旦那。
手前テメェの相手は俺だ
太宰治
太宰治
太宰は何かに気づきその場を離れたのと、銀の閃光せんこうはしるのが、ほぼ同時だった。

空間が切断された。

銀色の一閃が、一瞬前まで太宰の首があった部分を切断していた。

かまの先端が太宰の服、皮膚ひふ、筋肉の一部を引っき、血の飛沫しぶきまとって通り抜ける。
太宰治
太宰治
ぐあ……ッ
太宰がうめき、痛そうに傷を掴み座り込んだ。


その少し離れた所で蘭堂の相手をしていた中也が、おどろきに目をみはった。
中原中也
中原中也
莫迦ばか
中原中也
中原中也
こいつを傷つけられるはずが……
太宰をいた銀の閃光の正体__それは、人間の身長ほどもある長鎌だった。

その鎌のにぎった老人が、くぐもった笑い声をたてた。



先代首領
因業いんごう……まさに因業。
この手で小僧の首をねる日が来ようとは



先代首領が、しわがれた声で言った。


先代首領
その前に思い出話でも語りたいところだが……この身ではそれもかなわぬか
蘭堂(R)
蘭堂(R)
首領。
貴方あなたはもはや人間ではありませぬ……
蘭堂がおごそかに告げた。
蘭堂(R)
蘭堂(R)
生前の人格と記憶きおくが再現されるよう異能に式を組み込んではおりますが……貴方はあくまで私の異能
蘭堂(R)
蘭堂(R)
そして貴方の使命は……中也君に死体となって頂く間、太宰君を足留めする事です。その大鎌にて
先代首領
諒解りょうかいしておるとも。
このたましいは、異能にへばりついた破れ紙。
この身は内面も自意識もない自動人形じゃ……だが、それが不思議と小気味よい


先代首領が鎌を掲げる。

黒い布を全身に巻いた首領が空中に浮かび上がる……西洋の古い死神のように。
太宰治
太宰治
参ったね……
胸を真横に走る傷口を押さえながら、太宰は苦しそうに云った。
太宰治
太宰治
あの大鎌は実在する物質だ。
異能じゃあなく、どこかから調達し先代に持たせたものだ
太宰治
太宰治
つまり__
中原中也
中原中也
お前でもされりゃ死ぬ、って事か
中也はちらりと太宰を見た。

太宰の傷は深い。

胸の中心を横切り、二のうでまで切り裂かれている。

傷口のまわりの衣服はすでに血で赤く染まっている。

手早く処置をしなければ、命にかかわる傷だ。
中原中也
中原中也
ち……マジかよ
中也が顔をゆがめた。

だが、太宰は傷が段々だんだん痛まなくなっている事に気が付いた。

太宰が自身の傷を見ると、先程より傷が治っている。
太宰治
太宰治

(何だ?傷が、治り始めてる?)
太宰治
太宰治
(真逆まさか……⁉︎)
太宰が紫月を見ると、壁に寄り掛かりながら異能を使っている姿があった。
紫月瑠華
紫月瑠華
……ッ
(少しキツい……ッ
 じゃが、太宰達をまもれるなら……!)
太宰治
太宰治
(お姉さん……!)
中也は、太宰の傷が紫月の異能によって治り始めている事に気付いていなかった。
中原中也
中原中也
八方はっぽうふさがりじゃねェか。
流石さすがにこいつはやべェぞ……
質量がないため中也には防げない空間波の攻撃こうげき

異能ではないため太宰には打ち消せない大鎌のやいば

太宰と中也が、たった一種類の異能によって完全に封殺ふうさつされていた。

すると、壁に寄り掛かっていた紫月が異能力を発動した。
紫月瑠華
紫月瑠華
異能力-花に嵐・花-
紫月瑠華
紫月瑠華
-椿-
すると、太宰と中也の前。

先代首領の目の前に小さな女の子が現れた。
椿
椿
……
椿
椿
瑠華姉、死者は元に戻さなきゃ……だよね?
紫月瑠華
紫月瑠華
そうじゃな……ッ
椿
椿
瑠華姉の治療もすぐしたいし……
早めに終わらせるの
すると、小さな女の子_椿は先代首領の心臓に白い菊を刺した。

すると、たちまち先代の身体が刺された所から透けていく。
椿
椿
……安らかにお眠り下さい
椿はそう云い、手を合わせた。


先代は穏やかな表情をしながら天へと登って行った。
蘭堂(R)
蘭堂(R)
……ば、莫迦な……!
絶句している蘭堂の後ろから太宰が近寄り、異能を発動させた。
太宰治
太宰治
異能力-人間失格にんげんしっかく-
すると蘭堂は異能が発動できなくなった。

そんな蘭堂の前から中也が異能を使い、先代の持っていた大鎌を蘭堂の胸に刺した。
中原中也
中原中也
悪ィな、旦那。
これでしまいだ
中也が鎌を引き抜いた。

傷口から、おびただしい血液なあふれ落ちる。

周囲を浮遊ふゆうしていた瓦礫がれき石礫いしつぶてが、力を失ってがらがらと地面に落ちた。
蘭堂(R)
蘭堂(R)
何と、いう……おそるべき、子供達……
気道に侵入しんにゅうした血液が、蘭堂の口からあふれ出してこぼれる。

己のまりに落ちて混ざり、れた音を立てた。



明らかに___致命傷ちめいしょうだった。









最近、投稿出来ずに御免なさい‼︎

凄く長い間期間を開けていましたが……。

これから頻度は落ちますが、投稿を少しずつやっていきたいと思います。

お待ち頂いた読者の皆様、ありがとうございます。

これからもよろしくお願いします。

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