ts side
経緯を整理するとこういうことだ。
結論から言うと、サンヒョギヒョンが実はイハニのことを覚えていたらしい。
覚えていた上で、イハンが責任感を感じないようにわざと忘れたフリをしたのだという。
昨日の夜それを告白して玄関で泣きあったらしい。
ぷりぷりしながらトマトと卵の炒め物を口に運ぶジェヒョニヒョン。
サンヒョギヒョンの首からかかっている青いそれを指さす。
突然のニキビにツボるマフィアの幹部と情報屋。
このヒョン、意外とエンタメ性があるのかもしれない...
ウナクが右手をテーブルの真ん中に差し出す。
親指爪をよく見ると黒く内出血しているのが見えた。
そういえばそんなこと言ってた気がする... やけにアッパアッパ言ってた日があったっけ。
サンヒョギヒョンが左手でウナクの親指を優しく握り、右手を石にそえる。
リビングを静寂が包んだ。
全員がヒョンの手を見ている。
すると、サンヒョギヒョンの左手が石とおなじ青色に光った。
驚くのもつかの間、光は数秒で消えた。
ヒョンが殺していた息を軽く吐く。
左手が離されると、そこには完全に治った親指があった。
ウナクが爪をどこから見てみても、まったく違和感がない。ちゃんと動かせてるし、外から力を加えても痛くないっぽい。
イハンが手で口を抑えながら呟く。
それに対してサンヒョギヒョンは「治ってよかった」と笑った。
へぇ...世界には不思議なこともあるものだ...
色々謎なことはあるとしても、この力がチームにいてくれたら願ったり叶ったりだ。
その後も雑談をしながら残りの朝食を食べ終える。
まだちょっと心配してるのか、ずっと石をいじっているヒョン。
昨日から何度かこの動作を見てる。癖なのかな...小動物みたいでかわいい。
よいしょとジェヒョニヒョンが立ち上がる。
完全に油断していた。
まずい、この流れは...
ここからの俺たちは...ご想像にお任せします....


















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。