第6話

3話
841
2022/10/09 04:26
あなた
ひびき…?悪いけど、ボクの名前はあなたであって君のいうヒビキではないよ
??
そうだ…村の皆はゾンビにされて…
??
シロウ…ヒビキ…
男は目に涙を浮かべながら眉を顰める。
??
(奴に噛まれてから意識を失って…でも僅かに覚えてる)
??
(悲しくて、悲しくて…)
??
(それを誰かにぶつけてた…)
??
(そいつらはずっと、受け止めてくれてて…)
シディ
目が覚めたか
??
お、お前その身体…
??
よく見たらお前も、服とかボロボロで砂まみれじゃねぇか…
??
もしかして俺が…?
シディ
ただのじゃれあいだ
山ではよくあることさ
あなた
うん、それにボクは修復されるからね
機能停止もしてないし安心したら良いよ
??
微笑みながら言う2人に

男は先程まで浮かべていた涙を背を向けて拭う。
??
…んだテメェら
??
いけすかねぇ奴らだな
シディ
ウム?生け簀?捕まえた魚を入れておく場所の事か?
シディの言葉に男はガクッと項垂れる。
シディ
それより良かった
お前の涙が止まって
??
あ"?
あなた
ずっと泣いてたからね
??
……お陰様でな
??
泣いてちゃ、復讐はできねぇからな
あなた
(フクシュウ…?)
そこから3人は固まってお互いの話をする。
あなた
(なるほど、村を襲われ2年も眠り続け起きたら身体は作り替えられていた…)
あなた
(それはとても悲しい事何だろうね…)
シディ
あなた、俺たちは今からトラックの所に行くがあなたも来るか?
あなた
…あそこは行っても無駄だよ
??
は?何で…
あなた
日の出と共に様子を見に行ったらもう燃えていて男もいなくなっていたよ
??
っ…!ちくしょう!
やつら証拠隠滅しやがったのか!
??
折角手掛かりがみつかると思ったのに‼︎
あなた
…ボクはもう少しこの辺りを見てくるよ
もしかしたら君のいう奴らが見つかるかもしれないしね
??
…あぁ…頼む……
男の返答に頷きあなたは空を飛んだ。
??
は⁉︎あいつ飛びやがった…‼︎
シディ
あぁ、あなたは空を飛べるんだ
いつも気持ちよさそうに飛んでいる
??
ふ〜ん…




あなた
…やっぱり何処にもいない、か
あなた
逃げ足は飛び切り早い様だね
あなた
まぁ良いか
ボクは事実を話せば良いだけだ
あなたは1人そう言うと

シディ達が待つ村へと方向を変えた。
あなた
おや?シディ
君が悩み事とは珍しいね
あなた
どうしたんだい?
シディ
あなた…
あなた
ボクに話せる事なら聞くよ?
シディ
…先程俺たちが助けた運転手の身につけていた服に、俺とあなたが幼い事に着ていた服と同じマークがあったんだ
シディ
それであの男が…
あなた
母が見つかるかもしれないから一緒にそいつらのアジトまで来ないか?
シディ
!!!
あなた
フフ…図星みたいだね
シディ
あぁ、俺は自分が何者か知りたい
そして母さんとも…
あなた
どうせ猶予…
考える時間はくれてるんだろ?
あなた
なら存分に悩んで決断すると良いよ
シディ
あなたはどうするんだ?
あなた
ボクはシディの決めた方に従うよ
シディは昔から無理しすぎるからね
あなた
見張り役がいるだろ?
それに、兵器であるボクが一緒にいれば大抵の事は止められるしね
シディ
…あなた、前から気になっていたがあなたは自分の事を
あなた
じゃあボクは用があるから行くね
あなたはシディの言葉を遮り

そのまま歩いて行ってしまった。
シディ
(あなた、お前は兵器なんかじゃない)
シディ
俺のたった1人の姉さんであり、4人目の兄さんなんだ…

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