放課後、荷物をまとめてすたすたと帰ろうとするあなた。
追いつこうとヘチャンも慌てて荷物をまとめるが、教室から出ていくあなたを見て慌てて名前を呼んだ
その声に振り返るあなた
ルアも授業の後片付けをしながら心配そうにその成り行きを見ていた。
と、あなたの横腹をツンとつついた。
いつもならふざけて返してくれるか、突っ込んで返してくれるかの二択だから
こんな返事されたら、困ってしまう。
それくらい、今日のあなたは元気がないのだ。
もしかしてやっぱりほんとに、俺のせいだったかなと思って辛くなる。
次、なんて言えばいいだろうと考えていたら、あなたがそのままふらっと歩いていこうとするから思わず待ったをかける。
ヘチャンが返事をする前に、あなたはスタスタと帰ってしまった。
ヘチャンがもう一度あなたの名前を呼んだが、次は振り返らなかった。
それから、1週間が過ぎた。
何とか、学校は休むことなく行けていたが、
やはりロンジュンのクラスの前を通るのは苦しかった。
告白した次の日で日付が終わったカトク
あなたは、その言葉に何も返事をすることが出来なかった。
せめて「OKスタンプ」くらい送るべきかと思ったが
なにも、OKじゃない
OKなわけないよね、って
それを押すのすら虚しくて苦しくて、結局既読をつけて終わった。
どうにかロンジュンのクラスの前を通らないルートを選んでいたが、体育の時の移動は、体育館に繋がる階段へ行くにはロンジュンのクラスの前を通らなくては行けなくて、
週に三回ある体育が、本当に嫌いになった。
ロンジュンのクラスの前を通る時は、ルアが気を使ってクラス側の方に並んで歩いてくれる。
それでもたまに、ロンジュンと目が合う
ロンジュンの心配そうにこちらを見る目が、すごく苦しかったのだ。
そう言って、「ほら元気出せ」と背中を強めに叩いてくれるルアが、心強かった。
そんな日々が続いた、ある日だった
学校の帰り、家の近くの公園に制服姿のマーク先輩がいた。
めずらしい、、
サボり魔な先輩ということもあって、
先輩を見たのはなんやかんや言って1ヶ月ぶりだ。
と、頬をぷくーっと膨らませる先輩に思わず笑ってしまった。
それと同時に、会いに来てくれたんだ
と嬉しくなる。
多分今は、失恋したから余計に
先輩の優しさが傷口に染みるのであった
マークはそう言って、あなたに近づいて腕を広げて抱きしめた。
いつもだったらすぐ避けれたけど、今日は数秒反応が出遅れてしまった。
マーク先輩の柔軟剤の匂いにつつまれてから、はっと気づく。
気づいて
そのまま
じっとした
抵抗は、しなかった
落ち着く。
人の体温と、匂いと
男の人の包容力は、やっぱりルアに抱きしめられた時と違って
胸板が大きいからか、体全体が包まれるような、そんな安心感があった。
もし私がロンジュンと付き合ったら、
毎日こうしてもらえてたのかも
そう思うと、自然に目頭が熱くなった。
ロンジュンは私を好きじゃない
でも、
私のために、学校を抜け出して遊んでくれて
ぬいぐるみを取ってくれて
私のために学校に来て、会えなかったら家まで来てくれて
私のために、何度も「好き」って言ってくれて、
抱きしめてくれる人がいる
自分を好いてくれない人じゃなくて
自分を好いてくれる人を好いたら
それは駄目なこと?
















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!