第51話

no.45
80
2023/03/09 15:04
相澤先生と医務室に二人きりになった

その後、私のもとへ来たのは根津校長だった
根津
やあ、初めまして
根津
私がこの学校の校長さ
あなた
初めまして...
あなた
1年A組薬葉あなたです
そこにいたのは、相澤先生の捕縛布の中にいた可愛い動物...

ネズミなのか熊なのか犬なのかよくわからない見た目である

待ってこの人が雄英の校長なの?!

やばい、そんなことも知らなかったなんて

マジでごめんなさい
根津
そんな顔しないで、
相澤消太
先生そろそろ本題に...
根津
今からするから
本題って何...

はっ

その前になんか紅茶あるんだけど!
根津
君の準決勝の話さ
あなた
へ?
根津
単刀直入に言うとあの時君は自我を失っていた
根津
っていう話さ
あなた
はい
根津
君のことは君のお母さんから聞いているよ
あなた
そうですか
根津
確かにあの準決勝は息を飲むほど美しかったとみんなが言ってたのさ
根津
しかし
根津
その反面大変危険なことしていたね
根津
あの手から出していたのは
根津
ギンピ・ギンピ
あなた
えっ...
根津
これで分かったね
根津
少し酷な話かもしれないけれど
根津
美しく舞うように戦っていた君は
根津
相手の苦しむ顔を見るためにやっていたってわけさ
根津
もちろん無意識のうちにね
あなた
いま...
あなた
いま、爆豪くんは...
根津
彼なら大丈夫さ
あなた
なんで...
根津
君の作った対抗薬があったからさ
あなた
あっ
そういえば、

なんかあった時のための治療薬をたくさん作って

焦凍とリカバリーガール先生に預けておいたんだった

それよりも奇怪なのは

私がギンピ・ギンピを使ったということだ

あれは、それこそ死ぬような痛みはするが死にはいたらない...

それが根津校長の言った

ただただ相手の苦しむ顔を見たくてそうやったのかという話につながる

本当になんでそんなことしたんだろ...
根津
君は彼が憎いかい?
あなた
いいえ、そんなことはありません
根津
あの時君は何を考えていたんだい?
あなた
えー...
私はあの時ただ純粋に楽しみたかった...

ただそれだけだった
あなた
最後に覚えているのは
あなた
純粋に...ただ...楽しかった
腕が足が全身が自分のリズムにハマる感じで動いてくれて

そこで高鳴る私の心臓

そして高まる高揚感

さらに、下手したら大変なことになるかもという臨場感

この3つに襲われて私は戦いを純粋に楽しんでいた

しかし、私は爆豪を殺す気持ちもなく

かといって、手を抜くとかそういう考えをしなかったら

あの結果になっていた



冷静になって考えてみると

なんであんなことをしたんだろうと

あんなことになったのだろうかと

自分を問いただしたくなる


あの時の私は紛れもなくヴィランだった
根津
そうなのか
あなた
はい
あなた
殺したいとかは思いませんでした
私は本当のことを先生に打ち明けよう思った
あなた
ただただ、夢中になって力を振りかざしていた
あなた
冷静に考えるとヴィランそのもののような存在だったかもしれません
あなた
私のリズムに合わせて音にハメていく四肢
あなた
それに高まる臨場感と高揚感
あなた
それに体を任せてしまいました
あなた
本当に...ごめんなさい
そこに響くのは嗚咽する私の声

また頬を濡らして

本当にかっこ悪いな自分

同級生にまであんなことするなんてほんと最低だな...
根津
君のその個性とやらは秘密だったんだよね
あなた
でも母から聞いたって
根津
それは、ギンピギンピのことであって
根津
個性の秘密は何も聞いていないよ
あなた
はい
根津
相澤君少し席を外してくれないか
相澤消太
はい、承知しました
ガラガラ
根津
これで、二人っきりってわけさ
根津
君の秘密は絶対に守る
根津
何が何でも
あなた
絶対ってないですよ
根津
では、僕の秘密から話さそうかな
それから校長先生はお茶を入れなおして

お茶菓子も持ってきて話してくれた

先生に何があって今につながっているのか

そこで私が感じたのは昔、

人に虐待を受けていたこと

また、先生の個性はハイスペック

人よりも何倍もの知性があること

たくさん教えてくれた



そこで思ったのは、私の家系の最後の妖精だった人

その人も翼を取られたり大変な思いをしているから

なんだか、少し重ねてしまった
根津
これで僕のことは全部さ
根津
これで僕のことを信じてくれるかい?
その時この人を信じようと思った
あなた
私の個性は妖精王なんです
あなた
何だか自分で言って恥ずかしいかもなのですが
あなた
そうらしいです
いそして今までの経緯をすべて話した

個性のことについては
根津
君の名前は薬葉さんだよね
あなた
はい
根津
君の家系の2代目くらいかな
根津
僕と似たようなことが起って
根津
そのあとの個性遺伝に翼が生えてこなくなった
根津
しかし、君の両親から君のような妖精の個性を持つ子供が生まれたと
根津
ということであっているかい?
あなた
まったくその通りで
あなた
つい先々週辺りから
あなた
頭に角が生え始めて
あなた
両親はこれを覚醒の途中段階であるといってました
根津
なるほど、ということは
根津
「個性事故」ではないのかな
あなた
でもそれって小さい子がなりやすいことですよね
根津
その通りさ
根津
しかし今、君は覚醒途中
根津
個性発言直後の小さい子らと何ら変わりない
根津
そうおもわないかい?
あなた
考えてみればそうですけど
あなた
でも、本当に暴走してすみませんでした
根津
表立ってはそこまで、目立ってないと思うから
根津
多分大丈夫さ★
あなた
でも...
根津
それに、謝るのは僕じゃないのさ
あなた
はっ!
あなた
私、いってきます
ガラガラ
根津
今自分ができる正しいことを自分で気づいて行動する
根津
それがヒーローの根本さ

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