第12話

12話
1,229
2021/01/15 12:54
集合場所に戻ると清春の姿だけなかった。
慶一郎
慶一郎
清春おせえな〜、小太郎一緒じゃなかったのか?
小太郎
小太郎
一緒だったけど、トイレ行ってくるって言ってから戻ってこない…
さつき
さつき
(きよちゃん大丈夫かな)ちょっと探してくるね!
慶一郎
慶一郎
俺も行くよ、
涼雅たちはそこで待ってて。
清春が戻ってきたら連絡して
涼雅
涼雅
わかった
慶一郎
慶一郎
さつき、そっち見てきて、俺こっち行く
さつき
さつき
わかった




その頃清春は……

集合時間も忘れ、行く先も決めずにフラフラと歩いていた。
???
清春!
誰かの声が聞こえる
???
清春、やっと見つけた…ハァハァ
清春
清春
市川くんどうしたんですか?
慶一郎
慶一郎
どうしたんですか?じゃねえよ!時間!過ぎてんぞ!
清春
清春
あっ……すいません。。
慶一郎
慶一郎
ほら行くぞ!
慶一郎は清春の腕を乱暴につかみ連れていこうとする。
清春
清春
行きたくない…
慶一郎
慶一郎
は?
清春
清春
先帰っててください。僕後から帰るんで。
慶一郎
慶一郎
何言ってんだよ、ほら帰るぞ!
清春
清春
嫌だ!
大声で叫び慶一郎の手を振り払う。
慶一郎
慶一郎
わかった。もういい。晩飯は?
清春
清春
大丈夫です。
慶一郎
慶一郎
夜連絡入れろよ!
清春
清春
はい。。
慶一郎
慶一郎
じゃあ、行くから
怒った様子だったが、僕の夜ご飯のことまできにしてくれる。憎んでも憎みきれない相手。















今日は家に帰りたくなかった。
僕らは同じ家に住んでるから、いつでも会いたい時に会える。その分会いたくない時にも会ってしまう。
今日小太郎に会ったらなんて言っていいか、合わせる顔もない。

そんなことを考えながらダラダラと歩き始める。
























集合場所
三波斗
三波斗
市川くん帰ってきた!
さつき
さつき
そっちいました?こっち居なくて…
慶一郎
慶一郎
いたよ
小太郎
小太郎
きよは?きよはどこ?
慶一郎
慶一郎
今日は用事あるって
小太郎
小太郎
何で……
慶一郎
慶一郎
ほら、帰るぞ!






みんなで、車に乗り込む。
清春のいない車内はやけに静かだった。
小太郎を見れば今にも泣き出しそうだし、
涼雅は車の窓から遠くをずっと眺め、途方に暮れるようだった。
さつきと三波斗に関しては仲良く眠っていた。
静かだった理由はこれかも知れないと考えていたら家に到着した。






家に帰り、夕飯も済ませみんなお風呂にも入り終わった。
小太郎
小太郎
きよ遅いね。
小太郎が呟いた。
無理もない。現在時刻午後10時。
さつき
さつき
大丈夫だよ。きよちゃんはきっと帰ってくる。
慶一郎
慶一郎
なんかあったんだろ?小太郎
小太郎
小太郎
えっ……
慶一郎
慶一郎
だから自由時間!清春と一緒にいたんだろ!
小太郎
小太郎
うん。。またやっちゃったんだ。きよに。なんの許可もなく。。
突然のカミングアウトに驚きを隠しきれなかった。
小太郎
小太郎
そうだよね。驚きだよね。自分でもびっくりしたんだ。
慶一郎
慶一郎
小太郎
小太郎
小太郎
もう無理なんだ!苦しいんだ!きよとこんなに近くにいるのに!こんなにきよのこと思ってるのに!きよはどんな時も涼雅、涼雅、涼雅!僕の想いにはこれっぽっちも気づかないくせに。涼雅のことになると慌てて、ぐらぐらになって。
小太郎
小太郎
僕のことなんてこれっぽっちも見てない!
小太郎の訴えに酷く心が傷んだ。
小太郎は清春に完全に依存している。
小太郎の辛い思いを聞いたなら俺も隠しててはいけないと思った。
涼雅
涼雅
ごめん……
俺まだみんなに言ってないことがある。
涼雅の一言で部屋がさらに静まりかえる。
慶一郎
慶一郎
なんだよ。隠してることって。
涼雅
涼雅
俺もう清春のこと思い出してるんだ。
小太郎
小太郎
いつから!?
涼雅
涼雅
今日清春が俺に駆け寄って来てくれた時。そんときに頭痛くなったと同時に全部思い出した。
小太郎
小太郎
なんで早く言わないの!涼雅のことできよはずっと悩んで苦しんでたんだよ!
涼雅
涼雅
ごめん……
あたりは静まり返った。
沈黙を破ったのは慶一郎だった。
慶一郎
慶一郎
俺らも涼雅に隠してることがある。
涼雅
涼雅
えっ、、
慶一郎
慶一郎
今日、お前が清春のこと忘れたのは全部俺らのせいなんだ。
涼雅
涼雅
どういうこと…
慶一郎
慶一郎
今日、清春からピザ貰ったろ。
涼雅
涼雅
あ、うん。あーんしてくれたやつ
慶一郎
慶一郎
それはオオカミにするためのピザ
涼雅
涼雅
な、な、に言ってんの(((;°▽°))ハハハ
さつき
さつき
嘘じゃない。
涼雅
涼雅
さっちゃんまで
小太郎
小太郎
あの月を見て
涼雅は満月を見る。
三波斗
三波斗
はいこれ
三波斗は涼雅に手鏡を手渡す。
涼雅
涼雅
えっ……
そう。そこには耳が生えた俺がいた。
後ろを見ればしっぽもついてる。


なんだこれ。不安でたまらなかった。
涼雅
涼雅
何コレ??
みんなに助けを求めようと振り返るとそこには俺と同じ状態のみんながいた。
慶一郎
慶一郎
俺らオオカミなんだよ
慶一郎
慶一郎
もちろん、清春も
涼雅
涼雅
どういうこと…
さつき
さつき
涼雅一つだけ約束して
涼雅
涼雅
うん……
さつき
さつき
絶対に人間に戻りたいって思わないこと
涼雅
涼雅
なんで
小太郎
小太郎
人間に戻りたいって思った時、それは人間の姿じゃいられなくなる時だから
涼雅
涼雅
えっ。。
涼雅
涼雅
な、なんでそんなに危険なのにオオカミになんてなってるの?
小太郎
小太郎
それは、。わからない…
みんなが一斉に慶一郎の方を見る。
さつき
さつき
市川くん。





















--------キリトリ線--------
見てくれてありがとうございます^^*
お気に入り☆99!?
うそ。。そんなに行くと思ってませんでした!
ありがとうございます⸝‍(_ _)⸜
変なところで切ってごめんなさい!
次は市川くんの衝撃の過去が!!

プリ小説オーディオドラマ