第10話

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2024/06/26 05:22
〜回想〜
ではこれであなたと頼政の婚約の儀を終わりにする
頼政
あなた姫、これからよろしくな
あなた
はっ、はい!頼政様!
私と頼政様と婚約したのは私が8歳、頼政様が13歳の時。
頼政様は父上の家臣の息子でこれは主従関係を深めるための婚約だった。
それで父上は1人娘の私を頼政様の婚約者にして裏切り防止のため、政略結婚をしようという考え。でも私は政略だってわかってはいたけれどそれでも私は頼政様をみたら一目惚れをしてしまった。
ふふふっ、あなたったら。緊張をしすぎよ。
でもなんだかあなたは頼政殿に惚れてしまったような感じだぞ。
あなた
はっ、母上!兄上!そんなことはございません!というかからかわないでくださいませ!
頼政
はははっ、あなた姫は可愛いなぁ
あなた
……///
じゃあ頼政。妹をよろしく頼むな
頼政
仲がよかった夏様と義兄弟になれるのはとっても幸せです。
政略だったけど私と頼政様は仲睦まじくて素晴らしい関係性だったと思う。
それに兄上と頼政様は同い年で仲もよかったからそれがとっても嬉しくて嬉しくてたまらなかった。
一年後に母上が亡くなってしまった時も必ず最初に私に寄り添ってくれたのは頼政様だった。
あなた
はっ、母上…ううっ…
頼政
…私も母を亡くしている身だ。あなた姫の気持ちはとてもわかる。だから…好きなだけ泣いて…
あなた
よっ…頼政様…うっ、うわっ、うわぁぁぁぁん
どんな時だって頼政様は私のそばにいてくれたし、思いやりがあって優しい、父上からも将来を期待されてこれ以上素晴らしい殿方はいないと思っていた。
































でもあの日。あの日あの時を境に私の人生は一変してしまった。
城下の子
あなた姫様、見てください!今日は父がお魚をいっぱい釣ってきてくれたのです!
城下の子
あなた姫様、こちらも見てください!綺麗な貝殻も見つけられました!
あなた
まぁ、たくさん釣れてよかったですね。こちらの貝殻もとっても素敵です。
城下の子
この貝殻、あなた姫様にあげます!
あなた
あら、いいのかしら?
城下の子
あのっ…できればお揃いをつけて欲しいな…って。
あなた
あらまぁ、可愛らしいこと。いいわよ。ありがとうね。
城下の子
このお魚もあとでお城に届けますね!
あなた
ありがとうね。
頼政
あなた姫、じゃあそろそろお城に帰るぞ。
あなた
はい!そうですね、頼政様!じゃあみんなまたね!また明日も城下に降りるから!
城下の子
はい!ありがとうございます、あなた姫様!
城下の子
また明日も来て下さいね!
あなた
もちろん!また明日ねー
頼政
本当にあなた姫は民達に好かれてるな
あなた
もちろん。城下の人たちだって私の大事な家族。もちろん、父上や母上、兄上や侍女達、家臣だって。みんなみんな大切です。
頼政
本当、あなた姫は思いやりがあって、そこが本当に好きだよ。
あなた
あらやだわ。頼政様私をからかっていますか?
頼政
いやいや、からかっているわけないだろ。本当、あなた姫は可愛い。
あなた
まったく。なんなんですか!
城下の人たち
本当にあなた姫様と頼政様は仲がよくて、美しいのぅ。
城下の人たち
あなた姫様はいつもわしらに寄り添ってくれて優しくて。
城下の人たち
本当に理想の姫様だよ。
まったく、あなた!頼政!ちょっと遅いぞ!
あなた
あっ、兄上!ただいまー!
ただいまじゃなくて!遅いよ!城下の出入りは許可しているとはいえ、いくらなんでも遅いよ!
頼政
まぁまぁ、夏様。あなた姫も民のみんなに慕われているのでなかなか抜け出すのは大変なんですよ。
頼政がそう言うならまぁいいが…
気をつけろよ?
あなた
ふふっ、はい、兄上。了解しました。
…あなたなぁ…お前絶対バカにしているだろ。
あなた
嫌だなぁ。そんなことあるわけないじゃないですか。
〜夜〜
あなた
すーすーすーすー
すーすーすーすー
どたどたどたどた
家臣1
夏様!夏様!大変です!起きてください!
…ん?なんだ、こんな夜中に
家臣1
あの…城下が大変な事になっています!
大変なことって?
家臣1
城下が謎の化け物に襲われています!
なんだって?!
あなた
…兄上…?一体なにが…
急いで甲冑の用意を!
家臣1
はい!
あなた
兄上…?なにが起こっているんですか…?
あなた、お前はここで大人しくしてろ。大変な事が起こったんだ。
あなた
え、大変なことって…
家臣1
夏様!用意が整いました!
ありがとう。急ぐぞ!
家臣1
はい!
あなた
(…なに?一体、なにが起こっているの…?)
頼政
あなた姫!
あなた
頼政様!あの、一体何が起こっているんでしょうか…?
頼政
…これは遠山家一族にしか知らないことだが、あなた姫はまだ知らなかったんだな。
あなた
遠山家一族しか知らないこと…?
頼政
俺は婿になる身だから君と婚約をした時に習ったんだが、今ここで起こっていることは衝撃をうけるんだ。あなた姫、覚悟して聞いてくれ。
あなた
は、はい…
頼政
今、城下の方で鬼がここを襲っているんだ。しかも沢山。数えきれない。だから夏様たちは出陣したんだ。
あなた
鬼って…あっ!母上から習ってます!!だったらこんな所で呑気にしている場合ではないわ!わたしも参戦しないと!
頼政
あなた姫!君は女なんだから戦いにでるのは…
あなた
城下でこんなことが起こっていて大人しくするなんてそんな事できないわ!
糸!糸はいる?!
はい、姫様、お呼びですか。
あなた
今すぐ長刀を用意して!
あなた
遠山家家宝の波切丸を!
承知しました。
頼政
あなた姫!死ぬ気ですか!
あなた
死ぬ気ですてっ?!こんなとこでうずくまってじっとするなんでそんなの耐えられない!頼政様、城下に降りますよ!一緒に参戦してください!
頼政
…はぁ、本当に君は…いいよ。俺だってこのまま見殺しにはできない。
あなた
……!























作者
作者
ここで一旦区切るねー!
時透無一郎
そんなテンションの物語か…?
作者
作者
まぁまぁ!気にしない気にしない!
時透無一郎
はぁ…
作者
作者
さて次回!…予告することないから
次回もお楽しみに!
時透無一郎
(作者さんって、鬼畜なの…?)

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