第86話

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2024/10/04 02:00 更新
無一郎が息を引き取った後、あなたは無一郎を優しく下ろし、自身の淡い黄色の羽織りを無一郎にかけた。
その後ろから行冥も無一郎に自身の羽織りをかけた。
あなた
悲鳴嶼さん…っ
悲鳴嶼行冥
遠山…
悲鳴嶼行冥
よく、頑張った。遠山も時透も…若い身空で本当によくやった。
悲鳴嶼行冥
心から尊敬と感謝の意を示す。
あなた
悲鳴嶼さん…っ
だが、と行冥は続けた。
悲鳴嶼行冥
遠山はまだ終わりではない。まだ鬼舞辻無惨が残っている。時透の願いのためにもなんとしてでも倒すぞ。
あなた
はいっ…
あなたは涙が溢れながらもしっかりと行冥を見上げ、返事をした。
悲鳴嶼行冥
遠山の刀は私が持っていよう。時透の遺体を隠に引き渡さなければ。
あなた
はいっ
あなたは無一郎を抱き上げた。絶対に無一郎の遺体に傷をつけまいと。
そしてあなたが立ち上がりきった瞬間、
不死川実弥
うわああああああ!!
実弥が気を取り戻していた。しかし叫んでいた。その理由は、
不死川実弥
どうなっている畜生ッ!!体が…なんで鬼みたいに体が崩れるっああああクソッ!!クソッ!!
そう。実弥の言う通り玄弥の身体は鬼みたいに崩れ落ちていた。
不死川玄弥
兄…貴…
玄弥はか細い声を発していた。
不死川実弥
大丈夫だ何とかしてやる!兄ちゃんがどうにかしてやる!!
不死川玄弥
……兄…ちゃん…ご…めん……
玄弥はその実弥の「兄ちゃん」の言葉に反応して「兄貴」から「兄ちゃん」呼びに戻った。
不死川玄弥
あの・・…兄ちゃんを…責めて…ごめん…迷惑ばっかり…かけて…ごめん…
実弥が泣き叫ぶ中、玄弥は必死に実弥に最後の言葉を伝えようとと声を発していた
不死川実弥
迷惑なんかひとつもかけてねぇ!!死ぬな!!俺より先に死ぬんじゃねぇ!!
不死川玄弥
守って…くれて…あり…がとう…
不死川実弥
守れてねぇだろうが!!馬鹿野郎!!ああああクソオオオ!!
不死川玄弥
兄ちゃん…が…俺を…守ろうと…してくれた…ように…俺も…兄…ちゃんを…守り…たかった…
不死川玄弥
同じ…気持ち…なん…だ…兄弟…だから…
不死川玄弥
つらい…思いを…たくさん…した…兄ちゃん…は…幸せに…なって…欲しい…死なないで…欲しい…
不死川玄弥
俺の…兄ちゃん…は…この世で…1番…優しい…人…だから…
その言葉に実弥はホロホロと涙を流していた。
不死川実弥
あ"あ"あ"あ"頼む神様どうかどうか弟を連れて行かないでくれお願いだ!!
不死川玄弥
あり…が…とう…兄…ちゃん…
そう、玄弥が言い残した後、玄弥の身体は消え去り残った玄弥のカケラを実弥は泣きながら見つめていた。
不死川実弥
あああああ玄弥!!ああっうああっ玄弥ーーーっ!
実弥が「あああああああっ」と叫んでいると自身の鉄球と斧とあなたの長刀を持っている行冥と大粒の涙を流しながらも無一郎の遺体を姫抱っこしているあなたが実弥の後ろに立っていた。
悲鳴嶼行冥
…不死川。行かねばならぬ。顔を上げろ。
そう、行冥が言うが実弥は中々立ち上がることができない。
悲鳴嶼行冥
不死川。
まだ立ち上がれない。
悲鳴嶼行冥
不死川。
行冥がそう言うがその空気を切るようにあなたが行冥の後ろから荒い声を発した。
あなた
顔を上げてください、不死川さん!!
不死川実弥
……っ
あなた
私たち柱3人がこんな所で足を止めていてどうするのですか!私たちが行かなければ無惨は倒せません!!
あなた
勝てる戦も勝てなくなります!!
悲鳴嶼行冥
遠山…
悲鳴嶼行冥
(まだ先ほど時透を失ったばかりだと言うのに…)
行冥は尊敬の意味もこめてあなたを見ていた。
そしてようやく実弥は立ち上がった。顔は憎悪と悲しみに暮れていたが。
不死川実弥
…ああ。行く。
そして岩柱・悲鳴嶼行冥と風柱・不死川実弥と歌柱・遠山あなたは黒死牟と戦った戦場を後にした。

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