僕は、僕は、
何故、ここに居たのか分からない。
どうして、力が使えるかも分からない。
考えるだけで頭が痛い。
痛い。痛い。
“るぅとくん”
所詮、僕達は人形の様な物で、存在なんかしてない。
本当は、あの子の名前は黄なんかじゃない。
パラレルワールドから抜け出せないからこうなってしまったのか……
ずっと、永遠に眠ったまま。
僕達は、この子のストレスから生まれたんだ。
ストレスでその辛さが塊になり、魂になり。
僕達になってしまったのさ。
きっと、気づいて無いだろう。
本当は、お母さんも、お父さんも死んでない。
あれはストレスで生まれた存在しない記憶だ。
ずっと眠ったままのせいで、もうすぐで死ぬと言うのに。
気づいてくれて無かった。
助けられなかった。
じゃあもう……おしまいなのか?
『ばいばい。???くん。一生忘れない思い出が出来たね。』
彼は死んだ。
ずっと眠ったまま、何も話さず死んだ。
もう、会えない。
莉犬は涙と怒りでくしゃくしゃだ。
その時、少しだけ感じたんだ。
今までの思い出を。
楽しかったのに、楽しかったはずなのに。
何故かと、言うと、それは昨日の話。
『今日のお歌も凄く良かったです!🥺』
【声が無理。何でこんなのでやって行けてるの?】
【声、だっっっさ。(笑)】
【存在しなきゃ良いのに。】
何で……もう……苦しいの……?
バタッ!!
『可哀想に、自分が死んだ事も知らずに。』
『幸せにね、黄……』
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。