第5話

第5話 ラグナルフ討伐
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2025/05/05 18:38 更新
前回のあらすじ

 エルフの青年、セイリスに助けられたハルナとルイ。
そのままエルフの村に案内され、ハルナはエルフの子供と、ルイはセイリスと話していた。
だが突然、人食い熊の「ラグナルフ」が村を襲った。
ルイとセイリスは逃げようとするが、ラグナルフはハルナとエルフの子供へ一直線に襲い掛かった。
が、ハルナはラグナルフを謎の力で止め、後方に吹っ飛ばした。
果たして、ハルナはラグナルフからエルフの子供を守ることができるのか?



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春奈(ハルナ)・アークレイン
春奈(ハルナ)・アークレイン
さぁ、子供を泣かせた罪は重いよ?
 吹っ飛ばされたラグナルフが起き上がった。

吹っ飛ばされたせいか、怒り狂っている状態だ。

 ラグナルフは凄まじいスピードでハルナに襲い掛かる。
が、先ほどと同じように、ラグナルフは突然止まり、動けなくなった。
春奈(ハルナ)・アークレイン
春奈(ハルナ)・アークレイン
何度近づいても同じだよ!それじゃ、今度はこっちの攻撃ターンだ!
 ハルナは動けないラグナルフを吹き飛ばし、着地点に基礎攻撃魔法ブラスターを打ち込んだ。

ーー基礎攻撃魔法ブラスターーー魔法で作り出したエネルギーの塊を相手にぶつける一番オーソドックスな現実世界の攻撃魔法。

威力は絶大、ラグナルフはかなりのダメージを受けた。
が、それでも立ち上がり、ハルナに襲い掛かろうとする。
春奈(ハルナ)・アークレイン
春奈(ハルナ)・アークレイン
じゃあ、次はこうしようかな!
 次にハルナは魔法陣を展開し、魔刃魔法シルヴァーナイフを発動した。

魔刃魔法シルヴァーナイフは、魔法で生み出した鋭利なナイフを大量に発射する魔法である。
単純な魔法だが、基礎攻撃魔法ブラスターと比べ、相手に切り傷を与え出血が発生する効果がある。

ナイフは直線的に襲ってきたラグナルフに全弾命中した。
それでもハルナに近づこうとしてくる。
春奈(ハルナ)・アークレイン
春奈(ハルナ)・アークレイン
普通の熊ならこの時点で逃げるけど、この熊は自信があるのかまだ襲ってくる気満々だね。
これ以上はエルフの子に申し訳ないから、これで終わらせるよ!
 ラグナルフがハルナに近づこうとしたその瞬間、足に刺さっていたナイフが紫色の爆発を起こした。
その後、すべてのナイフが起爆し、ラグナルフは絶命した。
セイリス・フェアウッド
セイリス・フェアウッド
おーい!大丈夫かー!?
セイリスとルイが走ってきた。
瑠衣(ルイ)・アークレイン
瑠衣(ルイ)・アークレイン
ハルナは大丈夫だろ。それより・・・おい、坊や、大丈夫!?
ハルナから離れずくっついていたエルフの子供は、セイリスを見かけると、泣きながら一目散に走っていった。
子供のエルフ
うわあああん……こわかったよぉ……!
セイリス・フェアウッド
セイリス・フェアウッド
無事でよかった・・・!ほんとに、ほんとに、よかった・・・!
セイリスとフェアウッドは、強く抱きしめ合った。
瑠衣(ルイ)・アークレイン
瑠衣(ルイ)・アークレイン
ハルナ、ナイス。子供が無事なら、それだけで100点だ。
春奈(ハルナ)・アークレイン
春奈(ハルナ)・アークレイン
ありがと、この子がちゃんと私から離れなかったことが一番よかったよ、怖かっただろうに、よく頑張ったよ・・・!
ハルナは少し涙を流しながら感動し、ルイは何ともいえない涼しげな顔をしていた。

子供も無事で助かり、姉妹の完全勝利である。

セイリスがハルナの方を向いて話し出す。
セイリス・フェアウッド
セイリス・フェアウッド
あ、あの・・・この子を助けてくれて、ありがとう・・・。俺には絶対助けられなかったよ・・・。
春奈(ハルナ)・アークレイン
春奈(ハルナ)・アークレイン
いや、全然!この子私から一切離れなかったからさ!しっかり守りきれたよ!この子をしっかり褒めてあげてね!
セイリス・フェアウッド
セイリス・フェアウッド
あぁ、もちろんだ・・・!よくやった、リアナ・・・!
リアナ・フェアウッド
リアナ・フェアウッド
うん・・・!お兄ちゃん!
春奈(ハルナ)・アークレイン
春奈(ハルナ)・アークレイン
えっ、この2人兄弟だったのぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?!?!?!?!?!?
セイリス・フェアウッド
セイリス・フェアウッド
え、そうだぞ。俺の妹だぞ。
瑠衣(ルイ)・アークレイン
瑠衣(ルイ)・アークレイン
何となくそんな気はしてた・・・ってえ?女の子なのぉぉぉぉぉ!?!?!?!?
春奈(ハルナ)・アークレイン
春奈(ハルナ)・アークレイン
私は気づいてたぞ!えへん!
瑠衣(ルイ)・アークレイン
瑠衣(ルイ)・アークレイン
俺、その辺りは鈍感かもしれんな・・・。
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 ーー3時間後。エルフの村では、ハルナとルイを歓迎するパーティーが開かれていた。
会場はたくさんの料理とお酒で埋め尽くされており、いい匂いが広がっている。
最初に、村長からの挨拶があった。
エルフの村の村長
オホン……まずは挨拶じゃな。
ええか、みんなに良い知らせじゃ。
これまで村を荒らし、いくつもの命を奪うたあのラグナルフ――あやつが、とうとう討たれたんじゃ!
住民たちが喜びで騒がしくなる。
エルフの村の村長
ラグナルフ・・・あいつは、最強の獣じゃった。
村を守っとるセイリスでさえ、まったく歯が立たんほどの、手に負えん化け物じゃったんじゃ。
じゃがな、ここにおる2人の魔法使い、ハルナ・アークレインとルイ・アークレインが、見事あのラグナルフを討ち取ってくれたんじゃ!
今日はな、そんな2人を迎える、特別なお祝いの宴じゃ。
村のみんな、思いっきり楽しんで、2人に感謝を伝えるんじゃぞ!
住民たちが大いに盛り上がる。
エルフの村の村長
さて。そろそろ締めくくろうかの。
今日という日は、わしらにとって忘れられん日になるじゃろう。
ハルナ・アークレイン、ルイ・アークレイン。この二人の魔法使いに、心からの感謝を込めて。
村の未来に、そしてここに集うみんなに・・・乾杯じゃ!!
みんな
乾杯!!!
乾杯の合図とともに、「カン!」という響きの良い音が響き渡った。
さぁ、パーティーの始まりだ。

一方、ハルナとルイの席では。
瑠衣(ルイ)・アークレイン
瑠衣(ルイ)・アークレイン
・・・それにしても、何で俺まで祝福されてんの。俺、何もしてないんだけどな。
春奈(ハルナ)・アークレイン
春奈(ハルナ)・アークレイン
まぁ、いいんじゃない?今はそんなこと気にせず、パーティーを楽しもう!
瑠衣(ルイ)・アークレイン
瑠衣(ルイ)・アークレイン
そうだな。あ、あの料理旨そうだな。ちょっと取ってくるか。
 せっかくなので、この世界の料理事情について解説しよう。
この世界の料理は、実は現実世界と大差はない。味も見た目も、ほぼ同じだ。なのでもし君たちがこの異世界に転移したとしても、食事面は困ることはないだろう。
 ただ、一つ大きく違う点があるが・・・。それについてはまた話そう。


 そんなこんなで、楽しいパーティーは夜通し続いた。
ハルナとルイは用事があり、途中でパーティーを抜けた。

抜けた後、2人はセイリスとリアナが住む家へと向かった。
家に着き、ハルナが玄関のドアをやさしくノックした。
春奈(ハルナ)・アークレイン
春奈(ハルナ)・アークレイン
こんばんは、お邪魔しまーす!
セイリス・フェアウッド
セイリス・フェアウッド
お、来たか。どうぞ上がってくれ。
リアナ・フェアウッド
リアナ・フェアウッド
あ!お姉ちゃん!いらっしゃい!旅の続きのお話してよ!
春奈(ハルナ)・アークレイン
春奈(ハルナ)・アークレイン
いいよー!お話ししよう!
ハルナとリアナは奥の部屋に入っていった。なんだか楽しそうな雰囲気だ。

ルイとセイリスは手前のリビングに入った。
セイリス・フェアウッド
セイリス・フェアウッド
とりあえず、お茶を作ってくるから、ここに座って待っててくれ。
瑠衣(ルイ)・アークレイン
瑠衣(ルイ)・アークレイン
わかった。
 ルイは言われた通り、リビングの大きなソファにゆっくりと座った。
少し待っていると、セイリスが良い香りのするジャスミン茶を持ってきた。
瑠衣(ルイ)・アークレイン
瑠衣(ルイ)・アークレイン
いい香りだね。何の花を使っているのかな?
セイリス・フェアウッド
セイリス・フェアウッド
このお茶はソケイという花を使ってるね。
香りが良くて、僕も気に入ってるんだ。
瑠衣(ルイ)・アークレイン
瑠衣(ルイ)・アークレイン
それじゃ、遠慮なく頂こうかな・・・。
ルイがお茶を飲んでいると、セイリスが話を切り出した。
セイリス・フェアウッド
セイリス・フェアウッド
・・・さて、聞かせてもらおうか。
ルイ、君たちは旅をしてないだろ。どうして、あんな危険な猛獣だらけの場所に居たんだ?
瑠衣(ルイ)・アークレイン
瑠衣(ルイ)・アークレイン
・・・言い訳はできないね・・・。それは、俺たちが''転移''してきた人間だからだよ。
セイリス・フェアウッド
セイリス・フェアウッド
・・・どういうことだ?
瑠衣(ルイ)・アークレイン
瑠衣(ルイ)・アークレイン
言葉の通りさ。要するに別の世界から来た人間なのさ。
セイリス・フェアウッド
セイリス・フェアウッド
・・・!?!?

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