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第11話

第11話 救出
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2025/05/08 09:00 更新
前回のあらすじ

 魔法使いのローブや、旅に必要な道具を揃えたハルナとルイ。
辺りが暗くなったため、セイリスが常連の宿へ向かう途中、貴族たちが集まっている華やか場所に興味を持った。
 そこは奴隷市場であり、鎖に繋がれた人々の痛々しい光景を見てしまった。
だが、1人の女の子と目が合い、助けようとする・・・。
 銀髪のキツネ耳としっぽを持つ、あの小さな女の子を助ける。そう決まった時には、セイリスとリアナを置いて、既に飛び出していた。一切の迷いなくーー
春奈(ハルナ)・アークレイン
春奈(ハルナ)・アークレイン
ルイ、行くよ。金貨と服の準備をして!
瑠衣(ルイ)・アークレイン
瑠衣(ルイ)・アークレイン
手持ちの金貨で足りるかは分からないが…その時は何とかしよう。
春奈(ハルナ)・アークレイン
春奈(ハルナ)・アークレイン
ありがとう、ルイ。私が貴族のお嬢様になるから、そっちは従者っぽい雰囲気でいて。
2人は、綺羅びやかに飾り付けられた門をくぐろうとしたが、門番に追い返されそうになった。
門番
おい、ここは貴族、上級商人以上のお方しか入れない場所だ。平民は帰った帰った。
その言葉にカッとしたのか、ハルナが鋭い目線で門番を見つめる。
春奈(ハルナ)・アークレイン
春奈(ハルナ)・アークレイン
・・・誰が平民ですって?
華麗にローブを脱ぐと、美しい宝石やブローチで装飾された黄色のドレスを着たハルナが姿を現した。
その姿は、国王の娘と言われても違和感がないほどの高貴なものだった。

その姿を横目に、ルイは彼女を守るため、スッと一歩前に出る。
瑠衣(ルイ)・アークレイン
瑠衣(ルイ)・アークレイン
貴様、まさか、貴族であるお嬢様をここに入れないつもりか・・・?
ドスの効いた低い声で言い放つと、門番は恐怖のあまり、思わず後ずさりし、引きつった声を漏らした。
門番
い・・・いえ!!!そんなめっぽうもございません!大変申し訳ございませんでした、今回の非礼をどうか――
瑠衣(ルイ)・アークレイン
瑠衣(ルイ)・アークレイン
いや、わかればいい。それより早くお嬢様を通してくれ。
門番
か、かしこまりました。どうぞお通りくださいませ。
2人は奥へと進むと、そこには大勢の貴族や高級商人たちが整然と椅子に座っており、普段とは異なる張り詰めた空気が漂っている。
横に空いている席を見つけたので、貴族としても遜色のない所作で、静かに椅子に腰を下ろした。

だが、ハルナの雰囲気ゆえか、周りがざわつき始めた。
貴族1
あの美しい女性は・・・誰の娘なのだろう・・・?
貴族2
後ほど彼女とぜひお話ししたい・・・。
その状況を見て、ハルナは・・・
春奈(ハルナ)・アークレイン
春奈(ハルナ)・アークレイン
(あ・・・やりすぎちゃったかも・・・。)
結構慌てていた。
そうこうしていると、司会者のような男性が、壇上に上がった。
朗々とした声で呼びかける。
奴隷市場の司会者
さぁ皆様、本日はご来場いただきましてありがとうございます!各地より選りすぐった者たちをご用意しております。どうぞご自身の目で見て、納得のゆくまでお選びくださいませ!
会場が盛り上がってきた。
奴隷市場の司会者
さて、本日は初めて奴隷市場へお越しの方もいらっしゃることでしょう。簡単にご説明させていただきます。
当市場ではオークション形式を採用しております。金貨が基本の取引通貨となりますので、どうぞご準備をお忘れなく!
言葉を一息おいて、会場を見渡すと――
奴隷市場の司会者
それでは皆さま、オークションの開幕です!
遂に、オークションが始まった。
 壇上には、鎖につながれた人々が順に並ばされていた。目を伏せる者、怯えた目で周囲を見回す者――皆、ただ黙って運命を受け入れていた。
 奴隷たちは一人、また一人と壇上に立たされ、値段がつけられては次々と落札されていった。周囲のざわめきや競り声にかき消されるように、彼らの表情からは感情が薄れていく。
 ただ静かに、自分の順番を待つしかなかった。

その光景を見ていたハルナとルイは、全員を助けたい気持ちを必死に抑えていた。
全員を助けてしまうと、変に目立ってしまい自分たちの身の保証ができなくなること、奴隷制がこの世界の文化として根付いている以上、力でねじ曲げることは可能でも、ハルナとルイが望むやり方ではなかった。

そして・・・遂にケモミミ少女の番がやってきた。少女が俯きながら壇上の一番前に立たされると同時に、司会の通った声が会場に響き渡る。
奴隷市場の司会者
さぁ!これで最後の人間となりました!今回のオークションの目玉商品です!それでは、紹介しましょう!
少女が少し顔を上げた。白い髪が、ランタンの光に反射して美しく輝く。
奴隷市場の司会者
こちらの少女が、大変貴重なキツネの耳を持った少女です!
ここまでの美貌を持っていながら、獣人と人間のハーフは、今後100年は生まれてこない逸材でしょう!
奴隷市場の司会者
それでは、入札される方はいらっしゃいますか!?
会場に入札の怒声が響き渡っていく。その光景はまさに戦場のようだ。
貴族1
金貨300枚!
貴族2
いや、金貨400枚だ!
会場は過去一番の盛り上がりを見せ、次々と値段がつり上がっていく。
遂に金貨4000枚ほどまで上がった。
だが、ハルナはまだ仕掛けない。
貴族1
金貨8000枚だ!どうだ!
ここで2倍の金額。会場は一気に静まり返った。
この金額を払える人間は、ここには存在しないだろう。だが・・・。単語フリガナ
貴族2
ならこれでどうだ!?金貨12000枚だ!
まさかのここで小国の国家予算並の入札価格。
ここには、王族に仕えるような貴族も来ていたのだ。
奴隷市場の司会者
金貨12000枚!金貨12000枚が出ました!さぁ!他に入札される方はいらっしゃいますか?
万事休す、そう思われたが…ハルナは王族のような、余裕の笑みを見せていた。
何か策があるのか。それかただ無謀の賭けをしているだけなのか。一体、どっちなのか・・・?

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