蒼天魔導学園の北側、1号館。
セシル寮女子寮の1部屋に、白髪の毛先が黒い少女が眠って
いた。
部屋には朝日が差し込み、葉の上にある雨粒がキラキラと光
っている。
あなたはベッドから降りようとして、体勢を崩した。
白のシャツを着て、その上から黒色の上着を羽織る。
上着は膝下ぐらいまで長さがあり、光が当たると青色に
輝く。
肩下まである白髪の髪は、後ろでお団子にまとめた。
昔からあなたは、髪を結ぶと男に見えると言われてきた
少女1人だと、王都は危ないかもしれない。
万が一のためだ。
〜王都南側 魔道具街〜
様々な店や物が並ぶその場所は
あなたにとっては人生初めてのものばかりだった
木で作られた建物もあれば、何やらよくわからない光を放っ
ている鉱石で飾られたものまで。
しかしどれも、心地よい温かみを放っていた。
ここにいると、ケルト音楽が聞こえてきそうだった。
アスカ街を迷っていると
本当に珍しいものばかりが視界に入る。
飽きるの"あ"文字も浮かばない。
ふいに後ろから声がした。
なんだろう。何か落としたのかな?
振り向くとそこには、2人の王都民らしき男性が立っていた
実に気持ちが悪い。
幸い女子だとバレてはいないようだが
少年相手にもそんな事をするのか。
世の中はこれを、ナンパと言うのだろうか。
2人は徐々に距離を詰めてくる。
正直逃げたい。
なぜこうなるんだ。
せっかく魔法を学びに来たというのに。
私は連れ去られて終わりなのか。
天を仰いでいたあなたは
目の前で何が起きたのか分からなかった。
目の前には倒れている先程の男性2人と
心配そうな顔をしている赤髪の少年。
身長がとても高く、見上げないと顔が見えない。
凄い穏やかで優しい喋り方。
赤髪の少年は、何かを呟いたが、あなたには聞こえなかった。
あなたが叫ぶ前に、赤髪の少年は通路の奥へと進んでし
まっていた。
ライハナ王都は、端から端まで行くのに馬車で3日はかか
る。
そんな場所で、またあの少年に会える確率は0に等しい。
やっぱお昼は肉だね!
あなたはあの後、大通りに出てランチを楽しんでいた。
鶏肉にバジルとトマトを挟み
特製ソースをかけて召し上がる。
テーブルにはその他にも、
黒パン
ベリーティー
チーズケーキ
スープ
などが並んでいた。
あまりの美味しさにうっとりしていると、
店の女房に声をかけられた。
その後もあなたは
一口一口幸せを噛み締めるように食べた。
アスカ街を満喫したあなたは
路面電車に乗りその場を後にした。
夕日に照らされる白髪は
温かいオレンジ色に染まっていた。
昨日、銀髪の人に教えてもらった通り
寮へ戻ろうとしていた。
しかし、セシル寮男子寮の前に
見覚えのある後ろ姿が見えた。
赤髪の少年は
他の3人と親しく話をしている。
あなたは赤髪の少年のほうへ、早足で駆けていく。














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。