ぼんさんは独り言のように、
言葉を並べていった。
ぼんさんの、内に秘めた想いが知れたような気がした。
笑っているような口調だが、
確かに悲しそうな表情をしていた。
いつもの様子からは考えられないような、
か細い声だった。
_人には必ず、幾つもの弱みがある。
誰にも言いたくないような、隠したい事。
でも、ぼんさんはそれを伝えてくれた。
…なら、こちらも返さなくてはね。
真っ直ぐな目線で、
強く、はっきりと言葉にした。
一つ呼吸をする。
心なしか、先程までよりも柔らかな表情をしていた。
空は、すっかり暗くなっていた。
外は少し肌寒く、涼しい風が気持ち良い
季節の移り変わりを感じる気候だった。
……その中に紛れた微かな話し声を、
自分達は聞き逃さなかった。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!