大介side
……あれから半年。
夏が終わり、秋なんか通り過ぎて、冬、いや、暖冬の今年はもう春かと思わせる頃
ひかは退院した。
前よりかは遥かにほそくなってしまったけど、
しっかり二本足でたってる姿を見上げる。
兄貴の顔はグズグズだった。笑
兄貴の運転する福祉車両にのり、
まるで今日という日を祝うように晴天だった。
家に着くと、何を考えてんだか自分のおおきな荷物を持とうとする、
ひかの発症前よりうるさくなった兄貴。
結局リビングに俺ら2人で座ったままで、全部兄貴が片付けた。
あの能天気そうな、、シゲさんが……!?
入院中に聞いたシゲさんと、俺と同じ病気だったお父さんの話。
凄い意味深な言葉だな。
こんな言い合いもとても幸せに感じる。
やはり家に帰ってくると前よりかは疲れるみたいだけど、
それはお互い様で2人でゆっくりとうごいた。
実はね、本当はまだもう少し退院が先だったんだ。
でも、兄貴が、
そう、今日はおれらの誕生日だった。
まぁ男3人のパーティなんてなんの色気も無いわけだけど。
それでもまた家で、そして3人で同じ食べ物を食べていることに、
人生で1番、幸せだと感じることが出来たんだ。
明日、最終話!!😭
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。