第33話

兄を説得(🩵中心)
49
2024/06/30 05:50
コネシマ
コネシマ
ふぅっ…ふぅっ…!
とにかく走った

まだ小さく見える背中を追って

走って走って走りまくった

自分でも分かるくらいには早かったと思う
コネシマ
コネシマ
待てや!!!!
兄
なっ…なんで追ってきてんだ…!
コネシマ
コネシマ
お前の家族についての話をしたいんや!
兄
なんでだよ…!
コネシマ
コネシマ
あなたのレンタル彼女での名前の…お前の妹の為やねん!
兄
…妹…
俺はアイツをずっと、避けてきた
理由は至って単純、アイツお母さんに似ているからだ
そのくせ、お兄ちゃん!と呼んで迫ってくる
正直、いい気分になれなかった
兄
…あぁ…クソッ
でも
俺も俺のことが
兄
嫌いだ…
コネシマ
コネシマ
…!
コネシマ
コネシマ
……なぁ、もしお前がよければやけど
俺に話してくれんか…
兄
…だから…言ってるだろ
兄
言う筋合いは…
コネシマ
コネシマ
ない…わかっとるよ
コネシマ
コネシマ
けどな、俺も見て見ぬふりにはできへんねん
コネシマ
コネシマ
あなたのレンタル彼女での名前の為やからな
兄
……今まで、こんな事を話したことは無い
兄
それも、身内にも…もちろん他人にも
兄
俺だけの中にある話だ…
コネシマ
コネシマ
ええよ、それでも構わへん
コネシマ
コネシマ
ゆっくりでええから、話してほしいんや
兄
……わかったよ、面倒くせぇな…
コネシマ
コネシマ
…良かった、ならそこのベンチにでも座って
話そうや
兄
……はぁ(しつこ過ぎて負けた…)








ーベンチー
コネシマ
コネシマ
…んで?
コネシマ
コネシマ
まず聞きたいんやけど、お前が母親に
捨てられたっていう事について…
コネシマ
コネシマ
話してくれんか…?
兄
…重い話になるぞ
コネシマ
コネシマ
…おん
兄
まず、俺が幼少期のときだ
俺が中学の頃、両親は喧嘩して離婚した
親権は母親がとった

それからの生活は地獄そのものだった
兄
母さん、今度の体育祭と文化祭なんだけど…
お母さん
何?来いってこと?
お母さん
はッ(笑)
お母さん
行くわけないでしょ、そんな時間ないのよ
お母さん
あんたの為に働いてる時間も無駄な気するし
あんたが植物だったらな〜…
お母さん
何も食べず、何も言わず、ただただ
酸素を作り続ける
お母さん
今のアンタよりよっぽど役に立つわね(笑)
兄
……なんでそんな…
(なまえ)
あなた
おかあたーん!
お母さん
あらぁ、あなたの下の名前ちゃんどうしたのぉ?
(なまえ)
あなた
あのねあのね!こんどね!
お母さん
幼稚園のおゆうぎ会でしょう?
もちろん行くわよ〜〜!
(なまえ)
あなた
…!
(なまえ)
あなた
なんでわかったのぉ?おかあたんすごぉい…!
お母さん
そりゃあなたの下の名前の為だもの〜
わかるに決まってるわ!
お母さん
お母さん、見に行ってあげるからね!
(なまえ)
あなた
うん!ありがと!!
兄
……
兄
なぁ…母さん…
お母さん
何?
兄
…ッ…なんでもない…
兄
ごめんなさい…母さんの時間無駄にして…
お母さん
分かったならいいのよ
兄
……。
…こんな具合で毎日を過ごしていた
そんなある日だった
(なまえ)
あなた
にぃに〜!遊ぼ!!
兄
…はぁ…?
兄
あのな、兄ちゃん今テスト前で忙しいんだ…
お母さんと遊びな
(なまえ)
あなた
えぇ〜…でも今おかあたん忙しいって…
兄
……そうか…
(あの人のことだ
面倒くさかって俺に押し付けたな)
(なまえ)
あなた
ね!ね!だから遊んで!
兄
(押し付けてくるくせにテストで点取らないと
ご飯すら出してくれない…)
兄
(本当に根っからの毒親だな…)
(なまえ)
あなた
…にぃに?遊ぼうよぉ
兄
(あぁ…もうムシャクシャする…、!)
兄
(なんでコイツだけ甘やかされて…)
兄
(俺はこんな仕打ちを……)
(なまえ)
あなた
にぃに〜!あーそーぼ!!!!
兄
うっせぇな!!!!
(なまえ)
あなた
!?
兄
触んな!気持ちわりぃ…!!!
(なまえ)
あなた
ッなんっで…(泣)にぃに…
兄
にぃににぃにってうるせぇな!黙れよ
(なまえ)
あなた
っ〜……!(泣)
兄
(やべ…泣かせた…)
(なまえ)
あなた
うわぁぁあああん(泣)
なんでそんな事言うのぉお(泣)
お母さん
なにっ?どうしたの!?
(なまえ)
あなた
おかあたん〜(泣)にぃにがッ(泣)
お母さん
……アンタ、あなたの下の名前を泣かせたわね
兄
…っ…そんな、でも…
お母さん
でも?何?文句あるわけ?
アンタが悪いんじゃない
お母さん
出てってくんない?
あなたの下の名前が可愛そうなんだけど
兄
っ…わかったよ…!クソが…!!
お母さん
…はぁ、どうしてあんな子になったのかしらね
(なまえ)
あなた
にぃにっ…!?
その日から俺は家を出ていった
行く当てもなくただひたすら歩いた

家に帰りたくなかったから…

そのとき、ちょうど友達の家の前で足が止まった
唯一の居場所だった友達の家だった
兄
……
ピンポーン……
ともだち
はーい
ともだち
っえ?どしたの?
兄
…わりぃ、泊めてくんね?(笑)
ともだち
……良いけど…まじお前どした?
兄
なんでもねぇよ(笑)
気分気分(笑)
ともだち
んだそれ(笑)
まぁ上がれよ、ちょうど今飯だからよ
兄
あざ〜〜っす
無意識にインターホンを押して、口が動いていた

涙を必死に堪えながら話していた事だけ覚えてる

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