第37話

お母さん

2024/06/30 05:50

ー305室ー

あなた

…ここだ

兄

あぁ、苗字も俺らのと同じだな

我々だ全員

(ここにお母さんが…)

あなた

…入るよ

コンコン

ガララッ

お母さん

はい…？

お母さん

………あ、あなたの下の名前…！

あなた

お母さん！良かった…！

お母さん

なんだか久しぶりな感じねぇ

兄

…母さん…

お母さん

……あら…？アンタもいたの

兄

っ…悪いかよ

あなた

あぁ、あのね、お母さん

あなた

少し…紹介したい人達がいるの

お母さん

あら…何かしら

シャオロン

こんにちは、お母さん

コネシマ

どうも

トントン

こんちわっす

鬱先生

どうもぉ

チーノ

こんにちは！

ロボロ

こんにちはぁ

ゾム

はじめまして〜、こんちわ！

お母さん

…あ、あら…なんだかいっぱい来たわね

あなた

あのね、この人たちもね、お母さんの為に
いろいろしてくれたの…！

お母さん

私のため？

あなた

…お母さん、最近意識がなくって
ずっと寝たきりだったんだよ…？

お母さん

……そう…

お母さん

…それで？この人達とはどんな関係なの？

あなた

…えっ？ど、どんなって…えっと、恩人…？

鬱先生

いやいや、僕彼氏っすよ

あなた

ふぇっ！？

ゾム

は？あなたのレンタル彼女での名前の彼氏は俺やろ

ロボロ

いや、俺やけど？お前らバカか？

チーノ

僕ですよ！？
同棲するための家も一緒に見ましたし！

あなた

(はい？？デートの時のこと！？)

トントン

いや、彼氏は僕ですぅ
なんならこんくらいの子供に
付き合ってるの？って言われたんやぞ

シャオロン

俺だってハグ…したし！

コネシマ

俺は腕組みながら道歩いたで？

我々だ全員

あ゛？？？？

兄

……どういうことだ…？

お母さん

え…えっと…あなたの下の名前？
アナタ…ど、どうしたらこうなるのかしら？

あなた

あー…これには色々理由があって〜…ねぇ…
ははは……(笑)

あなた

ちょっと皆さん！お母さんとお兄ちゃんの前でそんな言い合い
ヤメてください！それにここ病室ですよ…！！

我々だ全員

お前のことで話しとんねん！
黙っとけぇ！

あなた

えっ…(えぇ〜〜？？？？^^;)

お母さん

と、とにかく…お世話になったのね

お母さん

ありがとうございます

我々だ全員

…いえいえ(^^)

我々だ全員

いやでも俺あなたのレンタル彼女での名前と…〜〜！？！？……！！

あなた

(まだ言い合ってる…)

お母さん

それで…？なんでアンタがここにいるの？

お母さん

アイツのとこに行ったんじゃないの？

お母さん

ねぇ

兄

っ…い、いや…でも…俺だって母さんの為に
色々したんだぞ…！？

兄

俺達は…

兄

「家族」なんだから…！

お母さん

ﾋﾟｷｯ…

お母さん

……なんて言った？

兄

…っえ？

お母さん

今…なんて、言ったの？

兄

だから…俺達は家族って…

お母さん

は？

あなた

ｯ…！？

我々だ全員

！？！？

お母さん

…アンタと家族？

お母さん

やめてちょうだい、笑えもしないわ

兄

え…どういうことだよ…？

お母さん

アンタと家族なんかになれっこないって
言ってんのよ

兄

…は？いや…でも俺を産んでくれたじゃないか

兄

俺を産んだのはアンタじゃないか…！！

お母さん

…忘れたわ、そんなこと

兄

っ……！！！

あなた

(どういうこと…？なんでそんな事言うの…)

兄

俺…アンタの為に働いた金出したんだぞ…

お母さん

はぁ…それが何？

お母さん

ていうか、そもそもアンタと家族なんて
思われるならいっそ
このまま死にたかったわね〜…

お母さん

…いや、私が死ぬ必要なかったわ
アンタが死ねばいいのよ…そうよ！そうよ(笑)

お母さん

死ねばいいのよ、えぇ、アンタがね

兄

………！(泣)

あなた

……ｯ！

バシッ























思わず体が動いてしまった

お母さんを叩いてしまった

叩いた音は病室に響き、少しの間静寂になった。

お母さん

………え？

あなた

っ…！

あなた

お母さんのバカ…！！！
なんでそんな事言うの…？

あなた

こんなに必死になってお母さんの為に
動いていたのに……！！！！！

お母さん

あなたの下の名前っ…？どうしたの？

あなた

私たちの苦労も知らずに…！
もう…知らない…！！！じゃあね…！！！！！

お母さん

あなたの下の名前っ！？

病室から出たあとは、何も考えれずに

ただ外に出て歩いていた

兄

あなたの下の名前っ…！

あなた

……お兄ちゃん…ごめん…今まで

兄

いや、いいんだ、俺が悪かったから

兄

…それに…母さんに言ってくれてありがとうな

兄

母さん、お前が出ていってから
ずっと放心状態だったんだ…正直、傑作(笑)

あなた

…お兄ちゃんがそう思ってくれるなら
私…良かった…私……私………ｯ(泣)

兄

…おいで

あなた

っわぁぁぁあ…ｯ(泣)
私ｯお母さんをぉお…ｯ(泣)

兄

良いんだ、良いんだよ…ありがとうな…

トントン

……アイツ、どんだけ優しいんや…(笑)

ロボロ

ほんまやな、俺だったら思いっきり殴るわ
んで、後悔とかなんもせぇへん

鬱先生

真顔でやろ？(笑)

鬱先生

…まぁ、俺もコレはキレるで

コネシマ

流石にあの親は駄目やな

ゾム

なんか…あんなの見たあとだと
こっちも困惑やな………

シャオロン

そうかもしれんけど、これから大切なのは

チーノ

あなたのレンタル彼女での名前さんのメンタルケアやな…

コネシマ

まだアイツはこれからも苦労してまう

トントン

俺らでできる限りあなたのレンタル彼女での名前を支えよう

我々だ全員

おぅ！！！

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編集部コメント

主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした！<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。