そらside
殲滅は終わった。
けど、呪獣を生み出す人間である
呪詛の姿は無い。
やっぱりあいつは…
私の両親を殺した呪詛は
この街には居ないのだろうか。
ドクンッ
「っ、」
ほんの、僅かによろめく。
やばい。
ここに来る事に必死になって
血液パックを飲むのを忘れていた。
吸血衝動に駆られないように
戦う時の私の必需品なのだけれど
今日は飲んでいなかった。
白服さんとあおいくんが駆け寄ってくる。
ここで血液パックを飲む訳には行かない。
早くどこか人のいないところに行かなければ…
そうして逃げるようにその場を離れようとした。
その時。
ガシッ
「っ、!」
誰かに腕を掴まれて
反射的に振り返る。
見上げるほど高い身長。
…二番くんだった。
二「どこ行くの」
腕を振り払おうとした。
ここに居ては駄目だ。
人間の血の匂いが、二番くんからする。
馨しい匂い。
やめて、掴まないで
口を開けば今すぐにでも襲ってしまう。
ビュオォッ
大きな風が吹いて、私のフードが取れてしまった。
こんなに早くバレるとは…
そう。
私の目は、吸血衝動に駆られ
紅く染まっていた。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。