いつもと変わらない日々。
最初は心底不快だと感じていた膝枕も今では当たり前のようになってきている
私の膝に頭を預けているシャルは昨日巻いた包帯の糸屑をいじっていた。
その姿はまるで子供が駄々を捏ねるようだった。
理屈が全て私基準なあたり、彼は相当精神年齢が低いのだろう。
私があきれて立ちあがろうとするとシャルは即座に私の腰を強く抱いた。
何かのギャグなのかこれは。
私がどれだけ水を欲しているかも知らないシャルはそのまま私の服に顔を埋める。
シャルの頭を撫でる私の腕には少し前に彼がつけた噛み跡が薄い桃色に染まっていた
笑いながら言うのが一番タチ悪い。
ちくちく
と時計の針が動く音がする。
テーブルの上には見たこともないような薬瓶や空き瓶が転がっていて、私がそれを片付けようとするとシャルはひょいっと起き上がる。
そう言って目の前のコイツは胸を張る。
その基準が信用できないだけだ。
シャルは私の手を取って、自分の頬にすりっと擦り寄せる。
ああ、死んだおじいちゃんもこれくらい肌が冷たかったな、なんて場違いな事を考えてしまう
また来た。コイツは自分が明日生きてるかも分からないのに将来のことを語るのが好きなようだ
しかも彼の夢はみんなの思う当たり前のようなものばかりだった
当たり前に学校に行って、当たり前のように学校に行く。
最終兵器の上目遣い
私も彼のことはよく分かっているつもりだったがそれは相手もそうらしい
私は視線を逸らしながら話し出す。
シャルは一瞬きょとんとして、それからにこっと笑う。
違うそうじゃない。
決めつけ。
でも完全に外れてもいないのが悔しい
シャルは満足そうに私の隣に座り錠剤をかき込む。
その言い方だけは、冗談じゃない。
分かっているんだ
本当は。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。