第16話

𝟙𝟞.
242
2026/02/11 07:19 曎新
その日は、特別なこずは䜕もなかった。

孊校はい぀も通りで、
垰り道も、空の色が少し違うくらい。

それなのに、
Specialeの扉を抌した瞬間、
胞の奥が、ふっず軜くなった。

鈎の音。
nns
あなたおかえり
すず菜さんの声に、小さく䌚釈をしお、
自然ず窓偎の垭ぞ向かう。

もう、迷わない。

バッグを眮いお、怅子に座る。
倖はただ明るくお、
ガラス越しに倕方の光が差し蟌んでいる。

カりンタヌの奥では、
枚さんが、い぀も通り料理をしおいた。

癜ず浅葱色の゚プロン。
静かな手぀き。
必芁なこず以倖、䜕も語らない背䞭。
❁
(  今日もいる)
それだけで、
少し安心しおしたう自分がいるのが、
なんだか悔しい。
sotm
おあなたちゃん今日はなににする
ベリヌちゃんが、メニュヌを片手にやっおくる。
❁
えっず  おすすめありたすか
sotm
じゃあ〜
そう蚀っお、
くるっずカりンタヌの方を向く。
sotm
トラ〜、今日のおすすめ
名前を呌ばれた瞬間、
枚さんが、ほんの少しだけ顔を䞊げる。
ngs
んヌカモミヌルかな
sotm
はヌい決たり
ベリヌちゃんが楜しそうに笑っお、
そのたたキッチンぞ戻っおいく。
❁
(カモミヌル  )
なんだか、
今の自分にぎったりな気がした。

しばらくしお、
湯気の立぀マグカップが運ばれおくる。

淡い色。
やさしい銙り。

䞡手で包むず、
カップの熱がじんわり指先に䌝わっおきお、
思わず、肩の力が抜けた。

顔を近づけるず、
湯気ず䞀緒に、
ふわっず花みたいな銙りが錻に届く。

カップに口を぀ける。

——味より先に、
枩かさが広がった。

喉を通る頃には、
胞の奥に溜たっおいた、
よくわからない疲れたで、䞀緒に溶けおいく。
❁
(  おいしい)
静かで、
やさしくお、
䜕も急かさない味。

そのずき。
ngs
あなたちゃん
爜やかな声。

名前を呌ばれた、
それだけなのに。

心臓が、
䞀拍遅れお跳ねた。

顔を䞊げるず、
カりンタヌ越しに、枚さんがこちらを芋おいた。
ngs
それ、熱いから気を付けお
たったそれだけ。

でも。
❁
(  あなた、ちゃん)
頭の䞭で、
呌ばれた音が、䜕床も繰り返される。
❁
  あ、はい
返事はできたけど、
声が、ほんの少しだけ裏返った気がした。

もう䞀床、カップに口を぀ける。

さっきよりも、
枩床がはっきりわかる。

舌に觊れる熱。
喉を通る感芚。

なのに、
味が、あんたり入っおこない。
❁
(  だめだ)
意識が、
党郚、あの呌び方に持っおいかれおる。

カりンタヌの奥では、
もう䜕事もなかったみたいに、
枚さんが䜜業に戻っおいる。

でも。

確かに聞いた。

確かに、呌ばれた。
❁
(  枚さん)
心の䞭で呌ぶず、
さっきよりも、少しだけ距離が近づいた気がした。

Specialeの空気は、
今日も倉わらず、静かでやさしい。

なのに、
私の䞭だけ、
䜕かが確実に動き始めおいた。



















.
.
♡×100‎感謝

プリ小説オヌディオドラマ