自習の時間、先生が居らず皆思いおもいに勉強を進めているとひよりは窓の外を眺めていた。下を向くと校庭で持久走をしている三年生のTシャツを見つけて眺めていると、トゲトゲの髪型を見付けジーっと見つめ始める。すると後ろ姿を向けていた黒尾が不意に此方を見上げてきた。
何か企んでいる時の笑みを向けられひよりは小さく悲鳴を上げ身体を強ばらせてしまう、部活の時に何かされるのではないかと思うと恐怖心しかない。
すると片手を上げこっちに向かって手を振ってくる様子に、ひよりも小さく手を振り返すと笑顔を見せて友達の輪の中に入っていく。
授業中と言えど、少しだけ姿を見れた事が嬉しくてひよりの胸はホッコリする。
隣の席に座っている研磨に話し掛けられひよりは窓から顔を上げ視線を向けると、何かを見付けた子供みたいに口元を緩めていた。
見ているとまどろっこしくてもどかしい二人の恋路をどうにか叶えて欲しいのに当の本人達は気付かない、何時になったらくっつくのかと思わされる研磨なのだった。















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。